
北米自動車市場で主要グローバルメーカーが相次いでエンジンやエアバッグなどの重要部品に欠陥が判明したとしてリコールを発表し、安全性をめぐる議論が起きている。
今回の一連のリコールは、車両の走行性能と乗員保護機能に直接影響を与える中核部品の製造・設計上の問題に起因するものであり、グローバルサプライチェーンの品質管理体制が問われているとの分析が支配的だ。
カナダのCTVニュースが6月3日(現地時間)に報じたところによると、トヨタ自動車とゼネラルモーターズが車両部品の欠陥に伴うリコールをそれぞれ実施した。
今回の措置は単なる部品の摩耗にとどまらず、走行中に車両が停止したり、事故時に乗員が二次的な被害を受けたりする恐れのある事案を含んでおり、車両オーナーの注意が求められる。
トヨタ 3.4Lツインターボエンジン欠陥…走行中エンジン停止の危険
トヨタは今回のリコールを通じて、2022〜2024年型のトヨタ・タンドラおよびレクサス・LX600、ならびに2024年型レクサス・GX550について、エンジン製造工程での欠陥を確認したと明らかにした。なお、対象はガソリン車のみで、ハイブリッドモデルは含まれない。
トヨタは、製造時の加工残留物(金属片)がエンジン内のクランクシャフトベアリングを損傷させる恐れがあると説明している。金属片がベアリング性能を低下させ、エンジンの正常な動作が妨げられ、走行中に突然停止するなどの重大な不具合を引き起こす可能性があるとしている。
自動車業界の関係者は「エンジンの中核部品であるクランクシャフトの欠陥は走行性能に直結するため、安全規制当局が非常に重大視している事案だ」と分析している。
現在トヨタは具体的な修理計画を策定中であり、該当する車両オーナーに対して郵送で順次案内する方針だ。
GM、エアバッグ欠陥…破片が車内に飛散する危険
ゼネラルモーターズも、ルーフレールエアバッグのインフレーター(膨張装置)の欠陥により、一部トラックモデルを対象としたリコールを実施する。対象車両は2018年型シボレー・シルバラード、2019年型シボレー・シルバラードHD、2018年型GMC・シエラ、2019年型GMC・シエラHDなど数千台規模に上る。
GMが公開したリコール通知によると、対象車両に装着されたルーフレールエアバッグのインフレーターが破裂、またはエンドキャップが脱落し、破片が車内に飛散する恐れがあることが確認された。
エアバッグが意図せず損壊した場合、インフレーターの破片が車内の乗員に向けて飛散し、負傷する危険がある。衝突から乗員を守るはずの安全装置が逆に危険を招くとして、深刻な製造上の問題とみられている。GMは該当する車両オーナーに郵送で連絡を取り、正規販売店を訪問のうえ両側のルーフレールエアバッグモジュールを全面交換するよう案内する予定だ。
相次ぐリコールとサプライチェーンの品質管理
今回の一連のリコールは、完成車メーカーが電気自動車への転換と新技術の導入を急ぐ過程で、既存の内燃機関エンジンや基本的な安全部品の品質管理に課題があったのではないかとの懸念を呼んでいる。
特に大規模リコールは、ブランドへの信頼低下に加え、同様の欠陥が繰り返された場合には多額の賠償費用や訴訟リスクを抱えることになる。
自動車業界のアナリストらは今回の事例について、完成車メーカーが自社の製造工程だけでなく、Tier1・Tier2を含むサプライチェーン全体にわたる品質検証体制を整備すべきことを示していると指摘する。特にレクサスやタンドラのような高性能・大型モデルで欠陥が発生したことは、グローバル市場で重視される技術的信頼性を損なう可能性があると指摘されている。
今後、各国の安全当局による製造工程の調査やリコール対応がより厳格化されるとみられ、オーナーは自身の車両がリコール対象かどうかを、メーカーのカスタマーセンターまたは公式ウェブサイトで確認することが望まれる。