
EVのバッテリー劣化は、消費者が最も気になるポイントのひとつだ。多くのドライバーは「数年経つと走行距離が大幅に減ってしまうのでは」という不安を抱いている。
しかし最近の調査は、こうした懸念が実態以上に膨らんでいる側面があることを示唆している。これは、中古EVの購入を検討する消費者にとっても前向きな材料として受け止められる。
EVのバッテリーモニタリング・分析プラットフォーム「Recurrent Auto」の最新データによると、EVの平均走行距離はここ数年、着実に伸びている。2026年モデルEVの平均走行距離は約325マイル(約523km)で、2020年の平均261マイル(約420km)と比べて大幅に向上した。2025年の平均293マイル(約471km)と比較しても上昇傾向だ。

このような変化は、空気力学性能の改善、熱管理技術の進展、バッテリー効率の向上が複合的に作用した結果と分析される。
データが証明するEVバッテリーの実際の劣化レベル
注目すべきは、実際のバッテリー劣化レベルだ。Recurrentの分析によると、発売から3年が経過したEVは初期走行距離の約97%を維持し、5年後でも約95%の水準を保つことが示された。例えば、初期走行距離300マイル(約483km)の車両は、5年後でも約285マイル(約459km)の水準を維持できるという意味だ。これは一般消費者の予想よりも高い数値だ。
一部のEVは、実走行でEPA認証走行距離を超えるケースも確認された。Recurrentによれば、2023年モデルEVの約68%が実使用環境で認証走行距離を超える結果を示した。

これはソフトウェアのアップデートと効率改善、高度化されたバッテリーマネジメントシステム(BMS)の影響と考えられる。最新のEVはバッテリー容量の一部を余裕領域として確保する方式で、長期的な性能低下を最小限に抑える。バッテリーセルが時間とともに劣化しても、システムが電力分配を調整して全体の性能を維持する構造だ。
また、OTA(無線アップデート)を通じて充電方式、走行距離予測、エネルギー効率が継続的に改善される。充電性能も急速に進化している。一部の最新EVは、約10分の充電で約160km分の走行距離を確保できる。
中古EV市場への波及効果と今後の展望
このような流れは、中古EV市場にも影響を与える見込みだ。これまでバッテリー劣化に対する懸念から中古EVの購入を避けてきた消費者が多かったが、実際のデータが長期性能維持能力を証明する場合、市場の認識は変わる可能性が高い。

特に今後数年間、リース契約終了車両が大量に中古市場に流入する予定であるため、こうした変化は市場全体に重要な影響を与えると予想される。