中国の奇瑞汽車が2026北京モーターショーで新しいフラッグシップセダン「アリゾ(Arrizo)S」を世界初公開した。

既存のアリゾシリーズの上位モデルとして位置付けられる今回の新車は、強力な内燃機関性能を前面に押し出しているが、公開直後にドイツのプレミアムブランドであるアウディと酷似したデザインのため、業界の注目を集めている。

| アウディを彷彿とさせる斬新なデザイン
アリゾ Sの第一印象は馴染み深い。前面の巨大な六角形グリルと鋭いヘッドランプの構成は、アウディの最新デザイン言語を強く意識した姿が見て取れる。
側面は滑らかに落ちるファストバックルーフラインとクーペ型のプロポーションを採用し、ブラックカラーで仕上げられたホイールとガーニッシュを通じて高性能イメージを強調している。
後面も左右がつながった一体型テールランプを採用し、視覚的な幅を広げた。全体的なシルエットとディテールからは「フレンチテイスト」よりも「ドイツ式ラグジュアリー」の痕跡が色濃く残る。

| 2.0Tエンジンで鍛え上げた「192kW」のパワフルな性能
物議を醸すデザインとは別に、ハードウェア構成は堅実だ。アリゾ Sは最高出力192kW(約261PS)、最大トルク400Nmを発揮する2.0Lガソリンターボエンジンを搭載している。

これは既存のアリゾ 8の高性能バージョンと同等の数値で、奇瑞のガソリン車ラインナップで最上級に位置する性能だ。
トランスミッション情報は公式発表されていないが、業界では奇瑞が導入中の自社開発8速AT搭載を有力視している。さらに「FALCON」と呼ばれる先進運転支援システムを搭載し、市街地と高速道路を網羅するインテリジェント運転機能を確保した。

| 内燃機関需要を狙ったプレミアム戦略
中国の自動車市場が電動化で急速に再編されているにもかかわらず、依然として日産シルフィやフォルクスワーゲン・ラヴィーダといったガソリンセダンの需要は堅調だ。奇瑞はアリゾ Sを通じてこの市場の上位需要を吸収する戦略を取っている。

特にアウディを彷彿とさせる華やかな外観は、ブランドバリューを一気に引き上げる狙いがあると見られる。