AMG GT4 EV「スリーポインテッド・スター」が光るライトに賛否殺到、メルセデス最上級EVに降りかかった意外な試練とは

メルセデスAMG GT4 EVテストカー
市販型ライトを装着した姿が公開
“スリーポインテッド・スター”論争が再燃

引用:フェイスブック @Mercedes-AMG
引用:フェイスブック @Mercedes-AMG

メルセデス・ベンツの高性能部門AMGが、同社EV戦略を象徴する最上位モデルの発表に向けて準備を進めている。最近公開されたGT4 EVのテストカーは、量産に近いディテールを備えており、大きな注目を集めた。AMG電動化の起点とされるこのモデルは、性能だけでなくデザイン面でも「強烈な第一印象」を狙ったが、公開されたヘッドライトとテールライトをめぐり、早くも論争が再燃している。

テスト車両は高性能4ドアEVクーペの方向性を明確に示している。長く伸びたボンネット、流れるようなルーフライン、低くワイドなプロポーションは、AMGらしいスポーティさを主張している。だが問題は照明デザインにある。ビジョンAMGコンセプトから受け継いだ「スリーポインテッド・スター」のモチーフが、ヘッドライトとリアランプに取り入れられ、評価が大きく分かれている。

引用:フェイスブック @Mercedes-AMG
引用:フェイスブック @Mercedes-AMG

不評続出のデザイン
誰のための選択か

テストカーに装着された量産型ヘッドライトは、メルセデスの将来のデザイン言語を示す存在とされる。しかし、その形状は「伝統的な高級感」からは大きく外れているとされ、否定的な声が目立つ。三角形の鋭角をなぞるように光るシグネチャーは、まるでコンセプトカーをそのまま流用したような派手さを持つが、一般消費者には「やりすぎ」と受け取られかねない。

リアについても同様で、左右をつなぐテールランプには三つ星の意匠が繰り返されており、ブランドの象徴性を強調する狙いが見える。ただしネット上では「おもちゃっぽい」「電動カスタムのようだ」といった否定的な意見が相次いでおり、特に洗練された高級感を期待する層にとっては不満の声が強い。

最大の問題は、照明デザインが車両全体の印象を左右してしまっている点にある。プロポーションやホイール、バンパーなどは概ね好意的に受け止められているが、照明だけが全体の高級感を損ねているとの見方が広がっている。ブランド象徴を前面に出すことで、外観全体のバランスが崩れてしまったという指摘も少なくない。

引用:フェイスブック @Mercedes-AMG
引用:フェイスブック @Mercedes-AMG

パフォーマンスへの期待感が高まる中
外観がアキレス腱となるのか

メルセデスAMG GT4 EVは、AMGが独自開発した新プラットフォーム「AMG.EA」を初採用したモデルで、800Vの電気アーキテクチャと高速充電システムを搭載する。AMG伝統の高性能路線を継承しつつ、長距離性能と効率を両立させる戦略モデルとされている。

ただし、そうした技術的優位性が、デザイン論争の影に埋もれてしまう懸念もある。最上位モデルに求められるのは単なる性能ではなく、ブランドとしての一貫性や感性でもある。その点でGT4 EVは、ユーザーとの感覚にズレを抱えていると見られている。

メルセデスは近年、EQシリーズに見られたシンプルで空力重視のデザインから脱却し、よりブランド固有の個性を打ち出そうとしている。GT4 EVはその試みにおける象徴的な存在だが、大衆性とのギャップを埋めきれていない。2024年末に正式発表が予定されているこのモデルが、デザインをめぐる論争をどう乗り越えるのかが注目される。

あわせて読みたい

関連キーワード

コメントを残す

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

こんなコンテンツもおすすめです

Toyota-Unveils-Camry-GT-S-Concept-2
「カムリ史上最も攻撃的」トヨタの新しい実験、GT-Sが目指す次の章
CP-2023-0065-33305243-thumb
「20年ぶりの逆襲」日産SUV系の誇り、V6ツインターボで復活
CP-2023-0094-33300187-thumb
レクサス、LSの時代に終止符…“新しい感性”で未来を開く
CP-2023-0065-33303497-thumb
「冬の朝、ボンネットの中に命が」運転前の3秒が悲劇を防ぐ
CP-2023-0065-33307711-thumb
「エンジンがない車?」フェラーリ、史上最も静かなハイパーカーを公開
CP-2023-0065-33306449-thumb
“これぞ本物”トヨタFJ60、時代を超えたレトロオフローダー誕生
CP-2024-0164-33377988-thumb
トヨタの目覚めた獣、GRヤリスとカローラ…1.6ℓターボの「生命力」が吠える
CP-2024-0164-33334878-thumb
守られない“命のルール”、運転者の3人に1人が内容を知らず
  • アクセスランキング

    「カムリ史上最も攻撃的」トヨタの新しい実験、GT-Sが目指す次の章
    「20年ぶりの逆襲」日産SUV系の誇り、V6ツインターボで復活
    レクサス、LSの時代に終止符…“新しい感性”で未来を開く
    「冬の朝、ボンネットの中に命が」運転前の3秒が悲劇を防ぐ
    「エンジンがない車?」フェラーリ、史上最も静かなハイパーカーを公開
    “これぞ本物”トヨタFJ60、時代を超えたレトロオフローダー誕生
    トヨタの目覚めた獣、GRヤリスとカローラ…1.6ℓターボの「生命力」が吠える
    守られない“命のルール”、運転者の3人に1人が内容を知らず
    「突然の発火」その原因は?EVキャンプ安全点検マニュアル
    寒くなる前にやるべき「クルマのこれ」油断すればエンジンがかからないことも

    最新ニュース

    Toyota-Unveils-Camry-GT-S-Concept-2
    「カムリ史上最も攻撃的」トヨタの新しい実験、GT-Sが目指す次の章
    CP-2023-0065-33305243-thumb
    「20年ぶりの逆襲」日産SUV系の誇り、V6ツインターボで復活
    CP-2023-0094-33300187-thumb
    レクサス、LSの時代に終止符…“新しい感性”で未来を開く
    CP-2023-0065-33303497-thumb
    「冬の朝、ボンネットの中に命が」運転前の3秒が悲劇を防ぐ
    CP-2023-0065-33307711-thumb
    「エンジンがない車?」フェラーリ、史上最も静かなハイパーカーを公開
    CP-2023-0065-33306449-thumb
    “これぞ本物”トヨタFJ60、時代を超えたレトロオフローダー誕生

    主要ニュース

    CP-2023-0065-33296847-thumb
    「突然の発火」その原因は?EVキャンプ安全点検マニュアル
    CP-2022-0028-33286409-thumb
    寒くなる前にやるべき「クルマのこれ」油断すればエンジンがかからないことも
    CP-2024-0164-33357437-thumb
    【流出】トヨタ次世代「ハイラックスBEV」公開迫る、航続性能に注目
    CP-2023-0397-33282028-thumb
    テスラ、わずか数日で2度目のリコール…サイバートラック6,200台を回収へ
    CP-2023-0065-33284515-thumb
    「これじゃ乗れない」中国EV、走行中にバッテリーから突然発火また発生
    CP-2023-0328-33292720-thumb
    イーロン・マスク、「空飛ぶロードスター」を年内公開へ?再び大言か現実か