ホンダがEV工場を無期限凍結・日産は欧州900人削減…日本車の危機が加速

引用:毎日経済新聞
引用:毎日経済新聞

トヨタを除く国内完成車各社が厳しい局面を迎えている。電気自動車(EV)の需要が急速に鈍化する中、ホンダは戦略を大幅に見直し、日産は欧州で工場稼働の縮小と人員削減に着手した。

ホンダ:1.7兆円カナダEV工場無期限凍結

日本経済新聞(日経)は6日付で、ホンダはカナダのオンタリオ州で進めていたEV工場とバッテリー工場の建設計画を無期限で凍結する方針を固めたと報じた。北米では電気自動車の投入を見直し、ハイブリッド車を軸とした戦略に転換する。

工場建設凍結の背景には、米国を中心に広がるEVの「キャズム(需要の一時的停滞)」がある。トランプ政権発足後にEV補助金が縮小され、高金利が続く中で新車購入全体も低調に推移しているためだ。

こうした状況を背景に、昨年第3四半期の米国EV販売台数は前年同期比36%減となった。一方、同期間の新車販売全体に占めるハイブリッド車の比率は19%と前年同期比11ポイント増となり、過去最高を更新した。

米国・カナダ間の貿易交渉が難航する中、カナダ生産車の米国向け販売が困難になりつつある状況も影響したとみられる。建設計画が凍結にとどまらず、完全撤回へと発展する可能性も取り沙汰されている。

ハイブリッド軸への戦略転換でEV3車種中止

当初ホンダは2028年稼働を目指し、現地で150億カナダドル(約1兆7,250億円)を投資してEV新工場とバッテリー工場を建設すると2024年4月に発表した。EV生産能力は24万台規模とされていた。

これに先立ち、ホンダは3月、電気自動車中心の戦略を抜本的に見直し、ハイブリッド車を軸とした事業構造への再編を決定している。北米市場向けに発売予定だった「Honda 0 SUV」、「Honda 0 Saloon」、「Acura RSX」など3つのEVモデルの開発・市販化を中止することを決めた。

ホンダはゼネラル・モーターズ(GM)と共同開発したEV「PROLOGUE」も今年下半期に生産を打ち切り、在庫消化後に販売を終了する計画だ。今年下半期には、米国市場向け販売ラインアップからEVが一時的に消える見通しだ。

日産:欧州900人削減と工場再編

一方、経営再建を進める日産は欧州で全従業員の10%にあたる約900人を削減することを決定した。同社は欧州でイギリス、フランス、スペインなどに拠点を構える。

欧州で唯一の完成車工場である英サンダーランド工場では、2本の生産ラインを1本に統合する。この工場には、中国の自動車メーカー・奇瑞汽車が共同利用を申し入れている。現在、同工場の稼働率は50%程度にとどまっている。

日産は欧州での販売方式を直営店から代理店へと切り替える方針のほか、スペインのバルセロナにある部品倉庫の一部も閉鎖する方針だ。

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