確かに新車なのに「10%も安い?」…ディーラーの試乗車が魅力的な選択肢として注目される理由

新車購入時の値引き交渉が以前よりはるかに難しくなっている中、新車に近い状態でありながら価格負担を抑えられる「試乗車・展示車の購入」が合理的な選択肢として注目されている。走行距離が短い新車同然の車両にもかかわらず、試乗車が新車より安く販売される構造的な理由とともに、購入する際のメリットや実際の注意点を多角的に検討する必要がある。

試乗車や展示車が新車より安く販売される根本的な理由は、すでに販売店やディーラー名義で初度登録が済んだ「登録済未使用車」の状態だからだ。書類上は中古車に分類されるため、新車価格をそのまま適用できない仕組みとなっている。販売店では月末や決算期末に販売実績を積み上げてインセンティブを得るため、車両を事前に登録し、一定期間にわたって試乗車や展示車として使用した後、中古車市場へ流通させる。このため、試乗車の値引き幅は単なる販売店側の好意というより、自動車流通の構造上、自然に生じるものに近い。

試乗車の平均的な値引き率は車種や走行距離、登録からの経過期間によって異なるが、一般的には新車の定価から10%前後となる。人気車種や走行距離が極めて短い場合は5%程度にとどまることもあるが、モデルチェンジを控えた時期には15%を超える大幅な値引きが適用される場合もある。最も有利な購入時期は、フルモデルチェンジやマイナーチェンジ(フェイスリフト)の発表直前で、ディーラーが在庫を早く処分しようとする傾向が強まる。さらに、ディーラーの決算月である主に3月や9月も、販売実績を達成するため、より破格の条件が提示される時期だ。

引用:写真
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値引き額だけを見て購入を急ぐ前に、試乗車特有の「価値が下がる要素」と「維持費」を慎重に確認する必要がある。試乗車は不特定多数のドライバーが運転し、荒く扱われた可能性があるため、シートやペダル、ステアリングホイールなど内装の摩耗だけでなく、足回りのサスペンションの状態も事前に点検しなければならない。また、メーカーの無償保証期間は顧客への納車日ではなく「初度登録日」から起算されるため、実際に残っている保証期間が新車より短い点も把握しておく必要がある。ボディカラーやグレード、オプションを自由に選べないという制約もあるため、値引き額と引き換えに失うメリットを慎重に比較する必要がある。

試乗車の購入は、走行距離が短い新車に近い車両を、新車より手頃な価格で所有できる魅力的な選択肢だ。保証期間が短くなることや内外装の摩耗といったデメリットはあるものの、車両状態を徹底的に確認し、モデル切り替え時期や決算月といった最適なタイミングを活用すれば、コストパフォーマンスの高い車両購入を実現できる。

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