
【引用:トヨタ】SUVが新車市場の中心となった現在、伝統的な4ドアセダンは縮小を続ける存在と見られがちだ。ところが米国では、その流れに逆らうように販売を伸ばしているモデルがある。トヨタ「カムリ」だ。現行の9代目は従来のガソリン車を廃止し、全車をハイブリッドへ切り替えるという大胆な選択を行った。それでも販売は失速するどころか、2026年上半期には179,044台を記録し、前年同期比15.3%増加した。同期間のRAV4はモデル切り替えなどの影響もあり153,955台にとどまり、カムリがトヨタを代表する人気SUVを上回る結果となった。単に低燃費だから売れたと片付けるには、あまりにも大きな数字だ。なお、カムリは日本では2023年末に販売を終了しており、ここで取り上げるのは現在も販売が続く米国仕様である。日本で普通に新車購入できるモデルではない点には注意が必要だ。

【引用:トヨタ】カムリが支持される最大の理由は、一つの性能だけを極端に追求せず、日常で必要になる要素を高い水準でまとめている点にある。広い後席や実用的な荷室、乗り降りしやすい車高、長距離でも疲れにくい乗り心地など、毎日使うセダンとしての基本が崩れていない。現行型では大型ディスプレイやToyota Safety Sense 3.0を採用し、従来の「無難だが退屈」という印象からも脱却を図った。カムリには故障が少なく長く乗れるという評判があるが、2024年に投入された現行世代については、まだ長期耐久性を断定できるほど年月が経過していない。現在の評価は、歴代モデルが築いた信頼と、発売後の比較的短期間に寄せられた反応を合わせたものと見るべきだろう。それでも購入者が新設計のモデルを選び続けている事実は、トヨタのハイブリッド技術とカムリという車名に対する信頼が依然として強いことを示している。

【引用:トヨタ】パワートレインは2.5L直列4気筒エンジンと第5世代トヨタハイブリッドシステムを組み合わせ、前輪駆動モデルがシステム最高出力225hp、後輪側にもモーターを備える電子式オンデマンド4WDモデルが232hpを発揮する。原稿にある「227馬力」は一部市場の表示に基づく数値で、米国仕様の公式値とは異なる。燃費はグレードや駆動方式によって差があり、最も効率の高い2026年型LE前輪駆動車ではEPA推定複合51mpg、換算すると約21.7km/Lに達する。一方、19インチホイールなどを装着する上級グレードでは数値が下がるため、すべてのカムリが同じ燃費を記録するわけではない。条件の良い高速道路で25km/L前後を表示することはあり得るが、速度や気温、地形、タイヤ、空調の使用状況によって結果は大きく変わる。オーナーの一例を、誰でも再現できる公認性能として扱わないことが重要だ。

【引用:トヨタ】2026年型カムリの米国価格は、前輪駆動のLEが29,600ドル(約457万円)から、上級のXSEが36,000ドル(約572万円)からとなっている。決して最安のセダンではないが、全車ハイブリッド化による燃費、225hp以上の出力、先進安全装備、室内空間を含めて考えると、長期保有を前提とする購入者には現実的な価格として受け入れられている。販売実績もその判断を裏付ける。米国販売は2023年の290,649台から、2024年には309,876台、2025年には316,185台へ増加した。2026年上半期の179,044台という実績も、前年同期を23,714台上回る。SUVに比べて荷室の自由度や高い着座位置では不利だが、低燃費、走行安定性、後席の快適性、扱いやすさを重視するなら、セダンには今も明確な価値がある。カムリの好調はセダン市場全体の復活を意味するわけではない。それでも、日常で本当に必要な性能を正しく組み合わせれば、SUV全盛の市場でもセダンは十分に選ばれることを証明している。