
【引用:トヨタ】2025年9月、トヨタのピックアップトラック「タコマ」で、ダンパーからオイルが漏れているという2件の報告が寄せられた。当初は一般的な部品不良にも見えたが、販売店が車両を点検すると、左後輪側ダンパーに装着されているはずの外部オイルリザーバーが丸ごとなくなっていた。トヨタは部品を回収して調査を開始し、最終的に米国で48,280台を対象とするリコールへ発展した。米道路交通安全局(NHTSA)に届け出られたリコール番号は「26V514000」で、対象には一部の2024年型タコマ・ハイブリッドと、2024~2025年型タコマが含まれる。問題の部品は主にビルシュタイン製の外部リザーバー付きダンパーで、オフロード性能を重視する仕様に採用されている。ただし、同年式のタコマがすべて対象になるわけではないため、所有者は車台番号を使って確認する必要がある。

【引用:トヨタ】問題となったのは、ダンパー本体の横にオイルを蓄える筒状のリザーバーを配置した、いわゆるピギーバック式の構造だ。激しい上下動が続く未舗装路でもオイル温度と減衰性能を安定させやすく、オフロード車では魅力的な装備とされている。ところが対象部品では、リザーバーとダンパー本体を結合する溶接フランジ周辺に、防錆処理が施されていない金属面が残っていた。そこへ水分や融雪剤が入り込むと腐食生成物が膨張し、溶接部を内側から押し広げる力が生じる。腐食が進めば溶接部が破損し、リザーバーが車体から完全に分離する恐れがある。走行中に脱落した部品は後続車にとって危険な落下物となり、衝突や回避操作を誘発しかねない。しかも腐食は接合部の内部で進むため、外側から眺めるだけでは異常を早期に発見しにくい点も、この問題を厄介にしている。

【引用:トヨタ】トヨタと部品メーカーが回収品を分解して調べた結果、単純な溶接ミスではなく、部品形状と使用環境が重なって起きる問題である可能性が浮かび上がった。2025年11月に行われた走行試験では、条件によってリザーバーが分離し、道路上の危険物となり得ることが確認された。その後の分析では、特定の長さを持つフランジに加え、走行中に跳ね上げられる小石による表面損傷、融雪剤を含む塩水、水分の侵入などが腐食を加速させる要因として挙げられた。特に冬季の道路や未舗装路を頻繁に走る車両は、複数の条件が重なりやすい。2026年7月末までに、この問題に関連する現場技術報告は20件、保証修理請求は62件確認された。48,280台という対象台数と比べれば割合は小さいものの、腐食が時間とともに進行し、最終的に部品の脱落へ至る可能性を考慮し、トヨタは先回りしてリコールを決定した。

【引用:トヨタ】対象車両の所有者は、トヨタ販売店で前後ダンパーの点検を受け、必要と判断された場合には該当するダンパーアセンブリを対策部品へ無償交換してもらえる。すべての対象車で前後のダンパーが一律に交換されるわけではなく、正式な措置は「点検後、必要に応じて交換」とされている点には注意が必要だ。米国での所有者向け通知は2026年9月21日ごろから発送される予定で、案内状が届く前でも、トヨタの公式リコール検索ページで車台番号を入力すれば対象の有無を確認できる。現時点で運転中止を求める「Do Not Drive」の指示は出されていないが、異常なオイル漏れやダンパー周辺の部品欠損を発見した場合は、走行を続けず販売店へ相談した方がよい。なお、これは米国市場で届け出られたリコールであり、日本へ並行輸入されたタコマについては、購入店や輸入業者を通じて個別に確認する必要がある。