
日産ジュークEV、2027年発売へ──ハイブリッドと並行展開の「ツートラック」戦略
電気自動車(EV)市場の成長が鈍化する中、日産がコンパクトSUVのアイコン「ジューク(Juke)」の電動化ロードマップを公開した。純電気自動車(EV)への転換を急ぎつつも、既存のハイブリッドラインアップを継続させる「ツートラック」戦略を選択した。これは、実用性を重視するユーザー層にとって現実的な代替案となる見通しだ。
「ハイパーパンク」を纏った専用EVへの進化
2027年初頭の発売を目指して開発中の第3世代ジュークは、日産の電気自動車専用プラットフォーム「CMF-EV」を採用している。デザインは2024年に公開された「ハイパーパンク(Hyper Punk)」コンセプトカーの幾何学的な要素を多く取り入れるとされる。ジューク特有の筋肉質なボディラインを維持しながら、前後に配された新しいライトシグネチャーを通じて、日産の次世代EVデザイン・アイデンティティを強調する。生産は英国のサンダーランド工場で行われ、グローバルなコンパクト電動SUV市場を狙う。
競合モデルとの対決…なぜハイブリッドを継続するのか
ジュークEVが市場に投入されると、フォード「プーマ Gen-E」など各社の競合モデルと激しい競争を繰り広げることになる。ここで注目すべきは、日産の柔軟なパワートレイン戦略だ。当初、第3世代のEVモデル発売に伴いハイブリッドモデルを廃止する計画であったが、これを修正し、両モデルを並行して展開することを決定した。これは、最近のグローバルなEV需要の鈍化に対応し、安定した収益性を確保するとともに、充電環境が十分に整っていない消費者層まで幅広く取り込む意図がある。
最大621kmの航続距離、現実的なスペックは?
詳細な仕様は、新型「リーフ(LEAF)」とかなりの部分を共有する見込みだ。52kWhおよび75kWhのニッケル・マンガン・コバルト(NMC)バッテリーが搭載される予定で、大容量バッテリー基準での欧州WLTP航続距離は最大621kmを目指している。ただし、実際の走行距離は各国の認証基準や走行環境によって変動する可能性がある。
2027年の発売スケジュール、市場先行が鍵
ジュークEVは強力な性能と柔軟な戦略を兼ね備えているが、2027年というやや遅い発売スケジュールは解決すべき課題だ。競合モデルがすでに市場を先行している状況で、日産の「遅れてきた反撃」が効果を上げられるかが焦点となる。グローバル市場でのブランド再編や戦略的な決断が、今後の成功を左右することになりそうだ。
