「不要と言われた変速機、なぜEVに戻った?」ポルシェが示した“真の狙い”

【引用:ポルシェ】電気自動車が支持される理由として維持費の安さが挙げられる。電気料金はガソリンより安価で、モーターは摩耗部品が少なく整備負担も軽い。こうした特性から「電気自動車にトランスミッションは不要」という常識が広まった。しかし、その常識を覆したのがポルシェとアウディだ。両社は電気自動車に2速トランスミッションを搭載するという大胆な判断を下し、なぜ“不要”とされた部品をあえて入れるのかに注目が集まった。

【引用:Depositphotos】電気モーターはアクセル操作と同時に最大トルクを発揮し、低速域から高速域まで広く性能を維持できるため、多段変速が不要とされてきた。一方でトランスミッションは構造が複雑で、重量も45〜180kgと重い。また、故障時の修理費も高額であることから、電気自動車の利点を損なうという見方が一般的だった。それでもポルシェとアウディは、重量増とリスクを承知で2速化を選択している。

【引用:ポルシェ】ポルシェ「タイカン」の2速トランスミッションは、1速で強烈な初期加速を生み出し、2速でモーター回転数を抑えて高速走行時の効率を高める仕組みだ。高速域で回転数が上がり続けるとモーターは発熱し、効率が低下する。これを避けるための“高速用ギア”が2速であり、巡航の安定性・電費・モーター寿命のすべてを向上させる。アウディ e-tron GTが同じ方式を採用したのも、スポーツ走行と高速巡航性能を両立するための戦略的判断といえる。

【引用:ポルシェ】電動二輪車分野ではKYMCOが世界初の2速EVスクーターF9を投入し、米イートンは商用EV向け4速電気式トランスミッションで賞を受賞するなど、EV用変速機の研究は世界的に活発だ。今後の電気自動車が「変速機なし」を標準とし続けるのか、それとも用途に応じて多段化を進めるのかはまだ読めない。しかし、この技術がまだ発展途上である以上、誰が最初に完成度の高い方式を確立するかが、次のEV競争の重要な焦点となるのは間違いない。

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