「コーヒー1杯の時間で400km」BYD、1500kWフラッシュ充電を展開へ

BYD フラッシュ充電 引用:BYD
引用:BYD

中国の電気自動車メーカーBYDがカナダ市場でフラッシュ充電ネットワークを展開する方向性が明らかになった。実現すれば、ガソリン車への給油と同程度の短時間で充電が完了する時代が近づいていると期待されている。

BYD北米法人が求人プラットフォームLinkedInに掲載した「フラッシュ充電ビジネス開発マネージャー」の求人によると、当該職務はカナダ全土のフラッシュ充電ネットワークの構築と事業拡大を担うという。業界では、BYDが自社のフラッシュ充電技術をカナダ市場に展開するための準備に着手したとの見方が広がっている。

BYD 1500kWフラッシュ充電の仕組み

BYDのフラッシュ充電システムは最大1,500kWの充電出力に対応するのが特徴だ。これは現在北米地域で稼働する公共急速充電器(約350kW)の4倍以上に達する水準だ。

引用:BYD
引用:BYD

BYDは当該システムを利用すれば、バッテリー残量10%から70%まで約5分で充電でき、一充電で約400km以上の航続距離を確保できると説明している。

こうした技術が実用化されれば、EVドライバーにとって最大の課題とされる充電時間を大幅に短縮できると期待されている。長距離移動や高速道路走行でも、コーヒー1杯ほどの短時間で充電を済ませられるようになる。

引用:BYD
引用:BYD

中国国内の展開と海外進出

BYDはすでに中国国内でフラッシュ充電ステーション4,239か所を稼働させており、2026年末までに2万か所へと拡大する計画だ。

特にBYDは、フラッシュ充電中に電力網への負担を軽減するため、大容量のエネルギー貯蔵システム(ESS)を組み合わせた方式を採用している。充電ステーション内のバッテリーが大型の蓄電池として機能し、必要な電力を瞬時に供給する仕組みだ。さらにこの方式により電力インフラの整備コストを抑えられるほか、電力需要の高い地域でもフラッシュ充電ステーションを展開しやすくなるという。

引用:BYD
引用:BYD

カナダ市場への挑戦と関税の壁

極寒環境における性能も注目点の一つだ。BYDは、第2世代ブレードバッテリーを搭載したDENZA Z9 GTを用いた社内テストで、氷点下30度の環境下でも残量20%から97%まで約12分での充電が可能であることを確認したと説明している。

一方、カナダは2026年1月に中国製電気自動車の輸入関税を大幅に引き下げ(年間4万9,000台の割り当て枠内で従来の100%から6.1%へ)、BYDをはじめ吉利汽車や奇瑞汽車など中国系自動車メーカーの市場参入への動きが活発化している。BYDが車両販売にとどまらず充電インフラまで自前で整備するとなれば、北米EV市場の競争環境にも少なからず影響を与えるとの見方も出ている。

あわせて読みたい

関連キーワード

コメントを残す

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

こんなコンテンツもおすすめです

CP-2024-0164-37925757-thumb
シートベルトの警告が鳴らなくなる! シエンタ16万台をトヨタがリコール、配線断線の恐れ
CP-2024-0164-37925732-thumb
「これはベースと何が違う?」ホンダが1年で追加投入、プレリュード特別仕様の全貌
CP-2024-0164-37925375-thumb
中国レアアース規制が日本車を直撃! 8社合計生産3.6%減、スズキは正面から打撃を受ける
CP-2023-0059-37915567-thumb
「うちの車、品質に差があります」と認めたトヨタ・日産、日本の消費者が突きつけた現実
CP-2022-0236-37865440-thumb
死んだはずのカマロが帰ってくる! 生産終了2年、シボレーが7世代目V8モンスターの開発を始動
CP-2022-0236-37861305-thumb
「直した」はずが直っていなかった! フォードが自ら認めた、7年間走り続けた欠陥車リコール詐称
CP-2022-0236-37846630-thumb
「デフロスターをつけても曇りが消えない」その理由と、ボタン一つで解決する意外な方法
CP-2022-0236-37847421-thumb
「小さい車の方が安全」は本当か、JAFが示した高齢ドライバーに合う車の条件