高速不要なら80km/hで十分? 駐車難と高物価でミニカー区分EVへ流れる動きが濃くなっている

「蓋付きバイク」の烙印
20万円以下の中古価格
バッテリー寿命を考慮して購入へ

引用:ルノー

ルノーの超小型EV「トゥイジー」は 2012年に欧州で発売され、「未来の都市型モビリティ」ともてはやされたものの、装備と居住性の乏しさからすぐに蓋付きバイクと揶揄され人気が失速した。しかし近年、日本でも「とにかく安いEV」を探す層から再評価が進み、ネットオークションでは17件の入札で67万円前後の落札例が報告され、平均落札価格は13万8,000円とされるなど、格安EVの象徴へと立ち位置を変えつつある。

トゥイジーには最高速度80 km/hの「80」と45 km/hの「45」が存在し、どちらもバッテリー容量は約7 kWh。日本では道路運送車両法上「第一種原動機付自転車」、道路交通法上は普通免許が必要なミニカーに区分され、高速道路や自動車専用道路は走行できない。車幅はわずか1.2 mで、都心の立体駐車場にも難なく収まり、家庭用100 Vコンセントで約3.5時間あれば満充電できる手軽さが売りだ。

引用:unsplash
引用:unsplash

中古相場が20万円を下回る個体は主に海外市場の話だが、日本でも輸入台数が極端に少ない分、軽自動車より安い「最安クラスのEV」として存在感を放つ。自動車税(年額約3,700円)や任意保険料の安さに加え、電費は実走行で100 kmあたり10 kWh前後とされ、電力料金が高騰する中でも維持費はガソリン車より抑えやすい。宅配や観光地のレンタカー需要、最寄り駅までの最後の5 kmをこなすセカンドカーとして注目されている。

もっとも、中古購入で最大のリスクはバッテリーだ。トゥイジーの駆動用バッテリーは固定式で、交換には本国ルノー工場への発注と高額な輸送費が伴う。残存容量が70 %を切る車両は実航続距離が大幅に縮み、市街地走行でも充電管理に追われることになるため、出品年式と走行距離、車載診断でのSOH(State of Health)は必ず確認したい。

引用:depositphotos

トゥイジーが抱える制限である冷暖房装備の欠如、極小トランク、2人乗りタンデムという仕様は、雨天時や荷物の多い家庭には確かに不便だ。しかし、日本の都市部で深刻化する駐車スペース不足とEV価格の高騰の中では、「速さよりもコンパクトさと経済性」を重視する層にとって合理的な割り切りと言える。

高価・高性能志向が進むEV市場で、トゥイジーは「とにかく安く乗れる電動モビリティ」という独自ポジションを確立しつつある。バッテリーの状態を見極めたうえで導入できれば、維持費の低さと機動力が光るユニークな選択肢として、日本の路上で再び脚光を浴びるかもしれない。

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