スリッパで運転し「60代女性」をはねた…運転時NGとされる靴、その理由は?

スリッパを履いたまま警察の追跡を逃れようとし、赤信号で事故を起こした高校生が、危険運転致傷の疑いで身柄を拘束される事件が発生した。今回の事件をきっかけに、取り締まりを逃れようとして重罪に問われることになった経緯とともに、運転時に法的に禁止される「不適切な靴」への注意が求められている。

福岡県警は2026年8月31日、オートバイを運転中に赤信号を無視して交差点に進入し、スクーターの運転者をはねて負傷させた疑いで、福岡市南区に住む16歳の男子高校生を逮捕した。容疑は自動車運転処罰法違反に当たる危険運転致傷。

警察によると、この高校生は8月10日午後3時ごろ、福岡市早良区の道路で400ccのオートバイを運転中、赤信号を無視して交差点に進入し、信号に従って正常に走行していた125ccのスクーターと衝突した。この事故で、スクーターを運転していた61歳の女性が顔の骨や肋骨を折るなど、全治3カ月の重傷を負った。

当時、高校生はスリッパを履いたままオートバイを運転しており、事故直前にはパトカーの停止命令を無視して逃走していたことが確認された。警察の調べに対し、高校生は警察の追跡を逃れるために信号を無視して交差点に進入し、事故を起こしたと容疑を認めた。

道路交通法第71条第6号の規定によると、スリッパや下駄のように運転操作を妨げる恐れがある履物を着用したまま車やオートバイを運転すると、「公安委員会遵守事項違反」に該当する場合がある。

かかとがストラップなどで固定されていないサンダルやスリッパは、運転中に脱げて操作ミスを引き起こす危険が大きい。ハイヒールも、高いかかとのためペダルを正しく踏みにくかったり、かかとがフロアマットに引っ掛かってペダル操作の妨げになったりする可能性があるため、運転時の着用は禁止されている。

今回の事件では、スリッパを履いて運転したことだけで取り締まりを受けていれば、反則金6,000円程度を納付し、刑事処罰を受けずに済む軽微な違反だった。しかし、警察から逃走する過程で信号を無視し、重傷事故を起こしたことで、15年以下の拘禁刑が科される可能性のある重罪「危険運転致傷罪」の疑いを受けることになった。

車やオートバイを運転する際、楽だからという理由で、かかとが固定されていないスリッパやサンダルを履く運転者は少なくない。こうした行為は法的な取り締まりの対象になるだけでなく、一瞬の操作ミスが重大事故につながる可能性もあるため、安全な靴を着用する習慣が重要だ。

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