絶望的な赤字から一気に「黒字転換」したホンダ・日産!国内自動車メーカーに吹く変化の風とは?

数千億円に達する天文学的な赤字危機に直面していた大手自動車メーカーのホンダと日産が、一気に黒字転換を果たし、目覚ましい業績回復を見せている。2025年から2026年にかけて、国内自動車メーカーは四半期業績の悪化と年間業績見通しの下方修正という逆風に相次いで直面した。中国など一部地域を除けば販売台数が大幅に減少したわけではなかったが、業績を大きく圧迫した主な要因は、いわゆる「トランプ関税爆弾」と世界的な原材料価格の急騰だった。

2025年4月、従来2.5%程度だった対米関税に25%の追加関税が上乗せされ、合計27.5%という巨大な関税障壁が築かれた。これは日本から米国へ輸出される分だけでなく、カナダやメキシコを経由して米国に入る分にも甚大な悪影響を及ぼした。その後、同年9月の通商交渉を通じて関税率は15%程度まで引き下げられたが、すでに各社の上半期営業利益を大きく削った後だった。さらに、中東情勢の不安定化による原油輸入への支障と原材料価格の高騰が重なり、収益性は極度に悪化した。

各社の内部事情を見ると、日産は経営再建計画「Re:Nissan」の最終年度である2026年度を目標に、世界各地の生産工場の閉鎖や人員削減という厳しい構造改革を断行し、赤字脱却に全力を挙げた。一方、ホンダは北米市場への投入を予定していた新型EVラインアップ「Honda 0シリーズ」の一部開発を急きょ凍結し、中国市場でのEV事業戦略を根本的に見直すことを決めた。

これにより、2026年3月期と2027年3月期にわたり、総額2兆円規模の損失処理費用が一気に反映された。その結果、2026年3月期決算でホンダはEV戦略見直しに伴う大規模な一時費用の負担により、4,239億円の最終純損失を計上し、上場以来初の赤字決算となった。経営再建を進めていた日産も前年から一部回復したものの、5,331億円という巨額の赤字を計上し、深刻な業績不振に陥った。

しかし、体制を立て直して迎えた今回の四半期決算では、両社が驚くべき反転を見せた。日産は連結営業利益が前年同期比で1,570億円改善し、779億円を達成して確かな黒字基盤を築いた。中東情勢など市場の不確実性を考慮し、年間営業利益見通しは2,000億円に慎重に据え置いたものの、経営正常化への明るい兆しが見えたとの評価だ。

一方、ホンダは四半期営業利益5,307億円を記録し、単一四半期として過去最高の業績を更新した。EV関連の大規模な損失処理が上半期の四半期業績に影響しなくなったことで、業績は急速に正常化し、今年度の連結最終純利益は4,000億円の大幅な黒字へ転換する見通しだ。

円安による見かけ上の効果や、利益が実態以上に見える面が一部含まれているものの、大規模な構造改革と迅速な事業戦略の修正が、赤字の泥沼に陥っていた大手2社を一気に立て直す決定的な原動力となった。世界の自動車市場には依然として、原材料価格の変動や国ごとの関税障壁、電動化への移行速度の調整など、予測しにくい変数が山積している。大胆な改革によって急務だった収益性の回復を果たしたホンダと日産が、今後の厳しい市場環境の中でどのように持続可能な成長の原動力を確保していくのか注目される。

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