
雨滴が表面を滑る過程で得た電荷が保護コーティングを貫通し、金属腐食を促進する可能性があるという研究結果が出た。雨が単にコーティングを物理的に摩耗させたり、塩分・酸性物質を伝達するだけでなく、電気的な方法でも金属を損傷させる可能性があるということだ。
8月31日(現地時間)Ars Technicaによると、ドイツのマックス・プランク高分子研究所の研究チームは、水滴が葉やガラス、プラスチックなどの絶縁性表面を滑るときに電荷を得る「スライド帯電」現象が腐食に与える影響を分析した。この過程で水滴の電圧は最大9,000Vまで上昇する可能性がある。今回の研究結果は国際学術誌Natureに掲載された。
研究チームは、大きな雨滴と同様の35マイクロリットル(µL)サイズの塩水滴を50度傾いた表面で約4cm滑らせた後、60ナノメートル(nm)厚のテフロンでコーティングされた銅板に落とした。水滴は表面の種類に応じて0.2〜2ナノクーロン(nC)の電荷を得た。
帯電した水滴を3,000回落とすと、テフロンコーティングの下の銅で腐食が見られ、一部の損傷はコーティング層を貫通した。一方、滑らずほとんど電荷を帯びていない水滴は同じ回数衝突しても損傷を引き起こさなかった。3,000滴は研究チームの計算上、数時間降り続く通常の雨と同じ条件だ。
高速カメラでは、帯電した水滴が金属に触れる直前に下側が尖ったテイラーコーン形状に変化する様子も捉えられた。2nCを帯びた水滴はテフロン表面から約10µm離れた時に絶縁破壊限界であるmmあたり60kVに達した。その後、電荷がコーティングを貫通し金属に移動し、塩分を含む水と露出した金属の間で一般的な電気化学的腐食が続いた。
コーティングの厚さも影響を与えた。12µmポリスチレン膜は電気的損傷を受けたが、130µm膜は耐えた。研究チームは今後、保護コーティングを設計する際には化学的耐食性だけでなく、高い電場に耐える絶縁性能も考慮する必要があると提案した。
今回の研究は自動車の車体を直接試験したものではない。しかし、研究チームは塗装された金属を使用する自動車や船舶、橋梁、屋外電子機器などでも同じ原理が働く可能性があると見ている。雨水による腐食防止技術に新しい設計基準が必要かもしれないという説明だ。