
大型ショッピングモールや公共駐車場では、ドアミラーを開いたまま駐車している車をよく見かける。近年はドアロックと連動して自動的にミラーが畳まれる車も増えたが、機能を切っていたり畳み忘れたりして開いたままのケースも少なくない。駐車スペースが狭い場所では、開いたミラーが隣車の乗降や歩行者の通行を妨げ、トラブルの原因になることもある。

それでは、駐車時にミラーを畳むことは法的な義務なのだろうか。結論から言えば、国内外を問わず、格納を法律で義務付けたり違反に過料を科したりする規定は存在しない。ただし、駐車の方法自体には別の規定があり、状況によっては現場指導の対象となる可能性がある。

日本の道路交通法第47条では、駐車の方法について「道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない」と定めている。開いたミラーが車両や歩行者の通行を著しく妨げる場合は、この規定に基づき警察官の指導対象となり得る。また道路運送車両の保安基準は、歩行者との衝突時に衝撃を吸収できる可倒式構造を義務づけている。

つまりミラーを畳む行為は、法的な処罰を避けるためというより、車両の損傷を防ぐ自発的な防衛策やマナーに近い。畳むか開けておくかは、駐車場所の幅や周辺の通行量など状況によって判断すべき領域であり、不必要な摩擦や予期せぬ被害を防ぐには、駐車環境を考慮した柔軟な判断が何より重要だ。