
道路を通行する人や車両を傷つけかねない物を撒く行為は、道路交通法によって明確に禁じられている。この規定を真正面から破ったとみられる事案が、新潟県内で発覚した。
無職の67歳男性が道路交通法違反(禁止行為)と器物損壊の疑いで書類送検されたことが、2026年7月2日までにわかった。舞台となったのは新潟市西蒲区にある県道、通称「弥彦山スカイライン」の約3.8km区間。男性は4月2日と5日の2回にわたり、この区間に数百本のネジを撒いた疑いが持たれている。
事件の発端は4月5日に寄せられた一本の110番通報だった。弥彦山スカイラインを走行中の男性ドライバーが「釘のようなものを踏んでパンクした。ほかにも数台パンクしているようだ」と通報したのだ。警察が確認したところ、実際には合計7台の車両でタイヤがパンクしていたことが判明した。
通報者から「道路を歩いている人がいた」との情報を得た警察は、現場周辺を歩いていた男性に職務質問を実施。リュックの中の箱から数百本のネジが見つかったことで、任意同行での聴取が始まった。
現場周辺では4月3日に2件、4月5日に10件、あわせて12件のパンク届出が寄せられており、うち2件については被害届も提出されている。
聴取に対し男性は容疑を認め、「弥彦山スカイラインを歩いていた際、スピードを出すクルマが多く怖い思いをした。危険な運転をするクルマに仕返しをしたかった」と動機を語った。警察は、男性が徒歩で移動しながら車両が通過するタイミングを見計らってネジを撒いたとみている。
この事案が知られると、ネット上では「自分が撒いたネジで死亡事故や救急車の立ち往生が起きるとは考えなかったのか」「67歳にもなって善悪の判断がつかないのか」といった驚きの声が上がった。無差別的で悪質な犯行だとして、厳罰や、ネジの回収費用・タイヤ修理代の弁償を求める意見も相次いだ。
今回の一件を機に、道路上に危険物を投げたり撒いたりする行為が道路交通法第76条第4項第4号によって禁じられている点も改めて注目を集めている。同条項は、通行人や車両などを損傷するおそれのある石・ガラスびん・金属片などを投げ、または発射する行為を禁止対象と定めている。道路上への危険物の散布は、車両のスリップなどによる交通事故を招きかねないほか、故意にタイヤを破損させたり車体を傷つけたりすれば、今回のように器物損壊罪に問われる可能性もある。ネジのような危険物でなくとも、走行中の車両からゴミを投棄する行為自体が道路交通法違反や廃棄物処理法違反に当たり得るため、軽い気持ちでのポイ捨ても厳に慎むべきだろう。