
トランク床下のスペアタイヤは、パンクの緊急時以外に使う機会がなく点検を怠りがちだ。ゴム製品のため未使用でも劣化し、タイヤメーカーは最長10年での交換を推奨する。修理キット普及以降の車はほぼ10年以上経過しているとみられ、車体下部に露出するタイプは寿命が5~7年に短くなる。空気圧も通常の倍近い約420kPaを要し、ひび割れや空気漏れのリスクが高い。

実際の使用時は、空気圧を半年に1回点検し、装着中は最高速度80km/h以下、走行距離100km未満を守る必要がある。グリップの低いテンポラリータイヤは駆動輪に直接装着せず、前輪駆動車では後輪へ、後輪駆動車では前輪へ装着する。駆動輪側がパンクした場合は無傷のタイヤを駆動輪に移すのが安全だ。一度使用したスペアタイヤは、走行距離が短くても5年以内に新品へ交換したい。

車検では、スペアタイヤの搭載有無や劣化状態は合格基準に含まれず、10年を超えた古いタイヤを積んでいても検査自体は通過できる。ただしそれは安全を保証するものではない。ロードサービスの出動統計では、タイヤのパンクはバッテリー上がりに次いで多く、全出動理由の約20%を占める頻発トラブルとなっている。

スペアタイヤの代わりに応急修理キットの液状補修剤を積む車も油断はできない。補修剤の有効期限はおおむね4年前後とされ、製造日を定期的に確認し、期限切れのまま放置しないよう注意したい。