ポルシェ、「カレラ 4S」フェイスリフト公開
473馬力を発揮する内燃モデル
0-100km/h加速3.3秒、最高速308km

ポルシェが2026年モデルの911カレラ4Sフェイスリフトを正式に発表した。ブランドの象徴的なスポーツカーとして長年愛されてきたこのモデルは、クラシックなスタイルを継承しながら、性能と装備の両面で大きく進化している。従来は上位グレードでのみ提供されていた高性能パーツを標準装備とし、走行性能にこだわるドライバーにも応える仕様に仕上げられている。
新型カレラ4Sに搭載された3.0リッター水平対向6気筒ツインターボエンジンは、従来比で30馬力アップとなる最大473馬力を発生する。これはカレラGTS仕様の一部を踏襲した設計で、911ターボ(992.1)と同じインタークーラーを採用している。さらに、スポーツエグゾーストや大型ブレーキシステムも標準化され、スポーツ志向の高さを印象づけている。


圧巻の加速と安定性
最新装備で魅せる室内
トランスミッションは8速PDKデュアルクラッチ式で、後輪駆動ベースの四輪駆動システムと連携。0-100km/h加速はわずか3.3秒、最高速度は308km/hに達する。従来のカレラSと同等レベルのスペックながら、四輪駆動による安定性と実用性を兼ね備えている点が大きな特徴であり、コストパフォーマンスの高い高性能モデルとしての評価が期待されている。
エクステリアは従来デザインを継承しつつも、LEDヘッドライトや空力パーツに最新トレンドが反映されている。インテリアには全面デジタルクラスターや直感的な操作が可能なインターフェースを採用し、使いやすさと先進性を融合させている。高級感あるレザートリムや走行情報の視認性を高めたディスプレイレイアウトなども、プレミアムカーとしての価値をさらに高めている。

高級装備がついに標準化
「進化するクラシック」の体現
今回のフェイスリフトでは、これまでオプション扱いだった多くの高級装備が標準化された点も見逃せない。ラインナップはクーペ、カブリオレ、タルガの3種で構成され、価格はクーペが2,352万円、カブリオレが2,606万円、タルガが2,633万円からとなる。パフォーマンスと装備の両立を図るこの変更により、ポルシェはライバルブランドとの競争にも十分に対応できるとみられている。
2026年型カレラ4Sは、単なるデザイン変更ではなく、上位モデルの技術を積極的に取り込むことで新たな位置づけを確立している。走りの質を求めるユーザーだけでなく、四輪駆動による安定性や快適性を重視する層にも訴求力を持つ構成だ。完成された名車911にさらに磨きをかけることで、「進化するクラシック」というブランド哲学を体現する1台となっている。