「GRカローラと同じ体格で400馬力?」 直5ターボを守り抜いたアウディRS3が改良! 一番手が入ったのは意外な場所だった

引用:アウディ
引用:アウディ

コンパクトなボディに400馬力の直列5気筒ターボを押し込んだこのモデルが、またひとつ進化を遂げた。2026年6月23日、ドイツ・インゴルシュタットで公開された新型A3シリーズの改良版のなかでも、最も注目を集めるのが頂点グレードにあたる「RS 3スポーツバック」と「RS 3セダン」だ。

パワートレインの構成そのものは、先代の個性をそのまま受け継いでいる。2.5リッター直列5気筒TFSIターボエンジンが最高出力400馬力・最大トルク500Nmを発生し、7速Sトロニックとクワトロ四輪駆動を組み合わせる。後輪左右の駆動力を可変配分する「RSトルクスプリッター」も備え、直線での加速力だけでなくコーナリングでの俊敏さも磨き上げた。1-2-4-5-3という独特な点火順序から生まれるサウンドは、このエンジンならではのトレードマークとして知られる。公式スペックによれば、0-100km/h加速は3.8秒、最高速度は280km/hに達するという。

ボディサイズに目を向けると、興味深い比較が浮かび上がる。スポーツバックは全長4380mm×全幅1850mm×全高1435mm、セダンは全長4535mm×全幅1850mm×全高1410mmで、ホイールベースはいずれも2630mm。国産の4WD高性能ハッチバックであるトヨタ「GRカローラ」(全長4410mm×全幅1850mm×全高1480mm)と並べると、RS3スポーツバックのほうが全長はわずかに短く、全幅は同一だ。全長4.4mクラスの扱いやすい体格に400馬力の直5ターボとクワトロを詰め込んだという事実こそ、今回の改良後もこのモデルのアイデンティティを規定している。

今回の改良で最も手が加えられたのは、むしろ室内だ。中心となるのは、ドライバー側へ湾曲したパノラマディスプレイ。11.9インチの「Audiバーチャルコックピット」と12.8インチの「MMIパノラマディスプレイ」をひとつにまとめ、視認性と操作性を高めた。ダッシュボードの加飾インレイは幅を広げて新規デザインとなり、メータークラスターから助手席ドアまで水平に続くラインによって、高級感とデジタル感を兼ね備えた室内空間を演出する。センターコンソールも一新され、スマートフォン用トレーはドライバー側に配置、25Wのワイヤレス充電にも対応した。ステアリングホイールにはマルチファンクションボタンと物理式スクロールホイールが統合され、仕様によって複数のデザインから選べる。

運転支援機能も大幅に拡充された。核となるのは「アダプティブクルーズアシストプラス」で、アダプティブクルーズコントロールとアクティブレーンガイダンスを組み合わせ、最高210km/hまで作動する。オートマチックトランスミッション搭載車では、道路標示や路肩の構造物、周囲の交通状況を認識しながら前後・左右方向の制御をアシストし、高速道路ではウインカー操作をきっかけに車線変更も支援する。これに加えて、赤信号での自動ブレーキ、完全停止前であれば信号が青に変わった際の自動再発進機能も新たに搭載された。駐車支援も進化し、4つの広角サラウンドビューカメラによって車両周囲を360度確認できるほか、MMIでは3D表示も利用可能。パークアシストプラス/プロでは駐車枠を検知し、ステアリング・アクセル・ブレーキ・シフト操作を車両側がアシストする。プロ仕様ではスマートフォンアプリを使った車外からのリモート操作にも対応する。

外観では、RS3専用のデジタルデイタイムランニングライトシグネチャーが新たに採用された。現行世代から受け継がれるチェッカーフラッグモチーフのデザインが、スポーティな個性を際立たせる。シングルフレームグリルにはRS3専用バッジが装着され、マトリクスLEDヘッドライトはMMIを通じて4種類のデイタイムランニングライトパターンから選択できる。

新しいインテリアと装備を備えたA3シリーズは、2026年9月中旬からドイツ本国の販売網へ順次導入される予定で、ドイツにおけるRS3の価格は6万8500ユーロ(2026年7月下旬の為替レート換算で約1276万円相当)からとなっている。

この新型RS3に対する反応は、大きく3つの方向に分かれている。性能やサイズについては「直5ターボはやはり特別」「このサイズで400馬力は刺激的」「GRカローラと比べたらどちらが速いのか気になる」といった興味本位の声が目立ち、デザインや内装についてはディスプレイまわりの新世代感を評価する声が続いた。一方で価格に関しては「コンパクトでもここまで来たか」という負担感も同時ににじむ。電動化が進むなかでも個性ある高性能エンジンを守り抜いたモデルであるという点が、今回の反応に共通する空気感といえそうだ。

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