ガソリン高で北米の空気が変わった!? ホンダの営業利益を押し上げたのは、EVではなかった

引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません
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ホンダが5日発表した2026年度(2027年3月期)第1四半期(4〜6月)の連結決算は、営業利益が前年同期比2.2倍の5,307億円となり、事前の市場予想を大幅に上回った。北米市場でのハイブリッド車(HV)販売好調に加え、円安の進行や関税影響の緩和が寄与し、収益性が大きく改善した。これを受け、ホンダは2027年3月期の通期業績予想を上方修正した。

英LSEGが集計したアナリスト9人による事前予想の中央値は3,021億円で、実際の営業利益はこれを大きく上回った。前年同期の実績は2,442億円だった。売上収益は前年同期比13.5%増の6兆615億円、税引前利益は同2.1倍の6,050億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は同2.3倍の4,509億円となった。

業績改善をけん引したのは、北米でのハイブリッド車販売だ。米政府による電気自動車(EV)支援策の縮小や、中東情勢の不安定化に伴う原油価格の上昇を背景に、燃費性能に優れたハイブリッド車の需要が拡大したとみられる。前年同期に赤字だった四輪事業は、2,217億円改善して1,921億円の黒字に転換した。二輪事業も堅調で、営業利益は前年同期比23.7%増の2,890億円、営業利益率は20%を超える20.5%となり、事業として過去最高を記録した。

為替も追い風となった。円安の進行により、通期の想定為替レートは従来の1ドル=145円から155円に見直された。営業利益の増減要因のうち、為替影響は980億円の増益、関税影響も781億円の増益となった。

一方、四輪事業の電動化戦略の見直しに伴い部品メーカーなどへ支払う補償金については、北米を中心とするサプライヤーとの交渉が続いており、今回の第1四半期には計上されていない。交渉がまとまり次第、第2四半期以降に順次計上する見通しだという。前年同期は、米国のEV事業に関する損失と関税の影響で収益性が悪化していた。

ホンダは今年5月、2027年3月期の通期業績について、売上収益23兆1,500億円、営業利益5,000億円、純利益2,600億円という見通しを示していた。前期(2026年3月期)はEV関連損失の影響で4,239億円の最終赤字となっており、この見通しは黒字転換を意味していた。今回の決算発表に合わせ、通期予想は売上収益24兆1,500億円、営業利益6,500億円(従来比30%増)、純利益4,000億円(同53.8%増)へとそれぞれ上方修正された。

一方、先行きには不確実性も残る。中国市場では、中国メーカーの供給過剰とEV中心の市場再編が続き、日本の完成車メーカーの販売不振が深刻化している。市場は、ホンダが中国市場でどのような巻き返し策を打ち出すか注目している。

最近発生した熊本地震も不安材料だ。二輪車などを生産する熊本製作所が被害を受け、稼働再開は早くても17日以降になる見通しだ。部品サプライヤーの生産への支障により、乗用車生産にも影響が出ており、埼玉県と三重県の工場も夏季休暇期間を含め、19日まで生産を停止することを決めた。生産への支障が長期化すれば、業績の重荷となる可能性がある。

4日の東京株式市場で、ホンダ株は前日比1%高の1,575円で取引を終えた。EV戦略の見直しへの懸念から5月には年初来安値の1,238円まで下落したが、その後は約30%反発した。株価純資産倍率(PBR)は0.5倍程度にとどまり、依然として割安な水準にある。

市場では、業績改善に加え、今後の日産自動車などとの協業が進展するかどうかも、中長期的な企業価値を左右する重要な要因とみられている。

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