
Z世代は本当に自動車に興味のない世代なのか。それとも今や、住宅よりも自動車のほうが手が届く目標になったのだろうか。
マツダが実施した調査では、Z世代が住宅よりも新車の購入に強い意欲を示していることが明らかになった。彼らが車を選ぶ際に最も重視する要素は、出力や走行性能ではなかったという。
一般的にZ世代は自動車や運転にあまり関心がなく、新車購入にも消極的な世代と見なされてきた。1997年から2012年の間に生まれたZ世代を対象とした従来の分析では、車両所有よりも共有モビリティやデジタルライフスタイルへの志向がより強く指摘されていた。
しかし、マツダの調査結果は異なる傾向を示し、注目を集めている。調査では、Z世代の回答者の69%が「新車を購入したい」と回答した。さらに注目されるのは、住宅よりも自動車の購入を優先する傾向が見られた点だ。マツダによると、Z世代が住宅よりも新車の購入を優先する割合は他の世代より約13%高いという。

Z世代の車離れは誤解か——調査が示す意外な購買意欲
マツダが具体的な理由まで深く分析したわけではないが、一部の研究はこうした傾向の背景を示している。米ノースウェスタン大学とシカゴ大学の共同研究では、Z世代のほぼ半数が「生涯にわたって住宅を所有することはできないだろう」と考えていることが示されている。
住宅所有が非現実的な目標と感じられる状況において、自動車がより現実的な個人空間として認識されているとの解釈もできる。特に親と同居している若者にとって、車は単なる移動手段を超えた自分だけの空間、いわば新たな「サードプレイス」として機能しうるとの見方もある。
今回の調査では、Z世代が車に何を求めているかも明らかになった。回答者の94%が先進的な安全機能を車両品質を評価する重要な基準として挙げ、93%は直感的で使いやすい技術装備を重視すると回答した。また、82%がプレミアムオーディオシステムを重要視していると答えた。

特に目立つのはオーディオへの関心だ。回答者の64%は、スピーカーの音質で車全体の品質水準を判断すると答え、85%は高品質なオーディオシステムが車両の品質水準を象徴するものだと考えている。
住宅より車が現実的——Z世代が車を選ぶ深層心理
世代別の違いも顕著だった。ミレニアル世代でオーディオの重要度を高く評価した割合は約57%で、ベビーブーム世代は約30%にとどまった。
こうした結果は、Z世代が自動車を単なる移動手段ではなく、デジタル体験とライフスタイルが融合した空間として捉えていることをうかがわせる。マツダの車両安全担当ディレクター、ジェニファー・モリソン氏は「Z世代は先進的な安全システムや直感的な技術を通じ、日常の運転においていっそうの安心感と信頼感を求めている」と語っている。

実際、近年の自動車業界ではエントリークラスのモデルにもプレミアムオーディオブランドを採用する動きが広がっている。
業界では今後、若い世代に支持される新興オーディオブランドやハイエンドブランドが自動車市場に積極的に参入してくる可能性があるとの見方もある。
マツダが示す若者市場の可能性と業界への示唆
今回の調査は、Z世代が自動車そのものへの関心を失っているわけではなく、従来の世代とは大きく異なる基準で車両の価値を判断していることを示している。