
BMWを代表する2人乗りロードスター「Z4」が、公式な後継モデルの発表がないまま生産終了へと向かっている。これによりBMWは、20年以上維持してきた2人乗りパフォーマンスモデルがラインナップから消滅する事態を迎えた。しかし、ドイツ・ミュンヘンで開催された直近のイベントを通じ、BMWスポーツカーの系譜が完全に途絶えるわけではないことが明らかになった。
■電動スポーツカー「iZ4」発売の可能性に言及
BMWのブランド・製品管理担当であるベルント・ケーバー副社長は、Z4の後継となる電動スポーツカー開発の可能性を問う質問に対し、肯定的な意向を示した。ケーバー氏は、ブランドの進化の過程において電動スポーツカーが担う役割は明確に存在すると述べた。来年にも発売されるといった差し迫った計画ではないものの、BMWは常にスポーツカー開発を検討しており、電気自動車(EV)もその開発対象に含まれるという立場だ。
■プラットフォームの柔軟性と市場の不確実性
電動スポーツカー開発の意志は確認されたものの、実際の量産までには複数の難関が予想される。昨今の世界的なEV需要の鈍化と、スポーツカーというセグメント自体が持つ限定的な販売規模が懸念材料となる。競合のポルシェも「718」ラインナップのEV移行過程において、ガソリン車モデルの併売へと計画を修正するなど、戦略の見直しを迫られている。
現在、BMWは収益性の高いSUVモデルの電動化に優先順位を置いている。ただし、BMWの次世代EVプラットフォーム「ノイエ・クラッセ」が持つ高い柔軟性には期待がかかる。このプラットフォームを活用すれば、ロードスター型のEV開発効率が高まる可能性があり、将来的に「iZ4」という名称で復活する道は残されている。