「事故なのにエアバッグが開かない?」 作動には“特定の条件”があった、その理由とは

【引用:depositphoto】自動車事故の際、運転者と乗員を守る最後の砦とされるのがエアバッグだ。しかし、すべての衝突で作動するわけではない。エアバッグは車両の衝突感知センサーが一定以上の衝撃を検知した場合にのみ展開される仕組みであり、条件を満たさなければ作動しない。センサーが衝撃を正確に感知できなかった場合も同様で、その結果、運転者が重傷を負う事態や、高級車であっても安全が保証されないケースが発生している。

【引用:depositphoto】エアバッグの作動を左右するのは、衝撃の強度だけでなく「方向」と「センサーの位置」だ。多くの車両では前面衝突を前提にセンサーが配置されており、側面や後面からの衝撃には反応しない場合がある。たとえば側面からの衝撃では前方センサーが反応しないこともあり、その結果、エアバッグは展開されない。さらに、センサーが設置された部位が直接的な衝撃を受けなければ、システムは事故を軽微と判断する可能性がある。このようにセンサー配置と衝突方向の不一致は、エアバッグ作動に決定的な影響を与える。

【引用:depositphoto】2023年10月、ソウル・龍山区で起きた事故はその典型例だ。歌手ソル・ウンド氏が乗っていたメルセデス・ベンツSクラスがタクシーに追突した際、14個のエアバッグのうち1つも展開しなかった。車両前部が大きく損傷したにもかかわらず、運転席や助手席、サイドエアバッグもすべて作動せず、消費者の不信を招いた。メルセデス・ベンツ・コリアはEDR(イベントデータレコーダー)解析の結果、「作動条件が満たされなかった」と説明したが、数千万円の車両でも作動しない現実に衝撃が広がった。また2025年3月の高速道路事故では、助手席の乗員がシートベルトを着用していなかったためにエアバッグが作動しなかったことが判明している。

【引用:depositphoto】こうした問題を防ぐには、センサーの数や位置を増やし、あらゆる方向の衝撃を感知できるよう改良する必要がある。しかし、コストや誤作動リスク、法基準の壁により、メーカーは積極的に改良に踏み出していないのが現状だ。特に高級車でもエアバッグ作動条件は限定的であり、「安全技術が商業的判断で抑えられている」との批判もある。エアバッグはあくまで補助装置にすぎず、ドライバー自身がシートベルトを着用し、作動条件を理解しておくことが真の安全につながる。事故はいつ起こるかわからない——守れるのは、日常の準備と意識だけだ。

あわせて読みたい

関連キーワード

コメントを残す

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

こんなコンテンツもおすすめです

CP-2024-0164-33864863-thumb
40台だけの終着点、ブガッティ・ボライドが刻んだ“最後の遺産”
CP-2025-0133-33838865-thumb
SUV激戦区の答え、アメリカ市場が認めた最高の3列SUV 5種
CP-2023-0065-33751204-thumb
「米国ラグジュアリー市場を狙う」メルセデス、40万台目標でBMWに正面勝負
CP-2025-0055-33823029-thumb
走行継続は危険信号、ブレーキ警告灯の分岐点
CP-2023-0065-33830297-thumb
「雪だけじゃない」冬の道路と車を蝕む“濡れた落ち葉”
CP-2023-0065-33802626-thumb
SUVに傾いた韓国市場、日産セダンが揺さぶる理由
CP-2023-0065-33777315-thumb
「バッテリー不安は解消できるのか」BMW、EVにガソリンを載せる理由
CP-2023-0065-33800329-thumb
出勤前にエンジンがかからない!?冬のバッテリー放電を防ぐ方法
  • アクセスランキング

    40台だけの終着点、ブガッティ・ボライドが刻んだ“最後の遺産”
    SUV激戦区の答え、アメリカ市場が認めた最高の3列SUV 5種
    「米国ラグジュアリー市場を狙う」メルセデス、40万台目標でBMWに正面勝負
    走行継続は危険信号、ブレーキ警告灯の分岐点
    「雪だけじゃない」冬の道路と車を蝕む“濡れた落ち葉”
    SUVに傾いた韓国市場、日産セダンが揺さぶる理由
    「バッテリー不安は解消できるのか」BMW、EVにガソリンを載せる理由
    出勤前にエンジンがかからない!?冬のバッテリー放電を防ぐ方法
    北米赤字が突きつけた現実、ホンダ・日産・三菱が米国で共同戦線
    「ホンダは15%急減」5か月ぶりのマイナス、日本車4社が米国で失速した理由

    最新ニュース

    CP-2024-0164-33864863-thumb
    40台だけの終着点、ブガッティ・ボライドが刻んだ“最後の遺産”
    CP-2025-0133-33838865-thumb
    SUV激戦区の答え、アメリカ市場が認めた最高の3列SUV 5種
    CP-2023-0065-33751204-thumb
    「米国ラグジュアリー市場を狙う」メルセデス、40万台目標でBMWに正面勝負
    CP-2025-0055-33823029-thumb
    走行継続は危険信号、ブレーキ警告灯の分岐点
    CP-2023-0065-33830297-thumb
    「雪だけじゃない」冬の道路と車を蝕む“濡れた落ち葉”
    CP-2023-0065-33802626-thumb
    SUVに傾いた韓国市場、日産セダンが揺さぶる理由

    主要ニュース

    CP-2023-0328-33831901-thumb
    北米赤字が突きつけた現実、ホンダ・日産・三菱が米国で共同戦線
    CP-2023-0328-33831895-thumb
    「ホンダは15%急減」5か月ぶりのマイナス、日本車4社が米国で失速した理由
    CP-2023-0397-33808325-thumb
    トヨタ中国EV戦略が結実、bZ3Xが外資EV販売1位に
    CP-2025-0055-33778761-thumb
    クーラント交換時期を間違えると何が起きるのか、エンジンに忍び寄る危険
    CP-2025-0057-33785918-thumb
    関税逆風でも止まらない、トヨタ世界1000万台独走
    CP-2025-0055-33781613-thumb
    「前より走らない」と感じたら読むべき出力低下の全パターン