自動運転で渋滞は減らない? ウェイモの44%空車データが暴いた「期待と現実のギャップ」

引用:ウェイモ
引用:ウェイモ

走行データが示す自動運転の現実

ウェイモのロボタクシーにおける走行距離の約44%が、乗客を乗せない空車状態での走行であることが明らかになった。

米テクノロジーメディアArs Technicaの報道によると、自動運転車が交通渋滞を緩和するという期待とは裏腹に、交通渋滞の緩和という点ではウーバーやリフトといったライドシェアサービスと実態に大きな差はないとする分析が報告された。

MITトランジットラボのアワド・アブデルハリム研究員は、カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)の資料をもとに、2023年8月から2025年12月までの約1,000日間のウェイモの運営データを分析した。この期間、ウェイモは1,380万件の運行を通じて1,930万人の乗客を輸送し、総計8,630万マイル(約1億3,890万km)を走行している。サービス規模は月平均約15%ずつ拡大した。

空車走行の内訳と配車効率の限界

分析の結果、調査初期には全走行距離に占める有乗客走行の割合が36%にとどまっていたが、調査終盤には約56%まで上昇し、その後は伸びが頭打ちとなっている。全走行距離の約44%が乗客なしの空車走行だったことになる。

空車走行は、配車リクエストを待ちながら走行する場合と、乗客を迎えに向かう場合の二種類に大別される。ウェイモは車両規模の拡大とともに、乗客のピックアップに伴う空車移動距離を継続的に圧縮してきた。高速道路サービスの導入も、1件あたりの空車走行距離の低減に一定程度寄与したと分析されている。

UCバークレーのマシュー・レイフマン研究員が2024年1月から2025年9月までのデータを分析した結果も、ほぼ同様の傾向を示した。ウェイモ全体の走行距離の44%が空車走行であり、そのうち約3分の2は配車リクエストを待つ過程で発生したものとして集計された。

渋滞緩和の期待と公共交通の可能性

ウェイモは昨年、自社車両の事故発生件数と保険請求件数が人間のドライバーよりも大幅に少ないとするデータを公表した。ただし、スクールバスへの対応や浸水した道路の認識に関する問題が近年指摘されており、技術がいまだ完全ではないことも示している。

一方、ウーバーやリフトのドライバーも全走行距離の約40%が空車移動(デッドヘッド)として集計されており、ドライバーが乗車しているかどうかにかかわらず交通渋滞への影響に大きな差はない可能性があるとの見方も出ている。

交通渋滞の緩和策として、公共交通機関の拡充も有効な手段として挙げられている。同数の乗客を輸送する場合、バスは乗用車と比べて道路占有面積が小さく、鉄道や地下鉄はさらに効率が高い。ただし、整備にかかるコスト負担は相当大きい。ウェイモは今年初めにロボタクシー事業の拡大に向けて160億ドル(約2兆4,000億円)を調達しており、業界全体には2010年代以降、少なくとも1,000億ドル(約15兆円)が投じられたと推定されている。

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