
自動運転技術競争をリードするテスラだが、基本的な組み立て・仕上げ品質をめぐる議論からは依然として自由ではない。最近、オンラインコミュニティでは、一部のテスラオーナーが室内の異音やシートの隙間など仕上げ品質への不満を訴えている。
テスラ・モデルXのオーナーと思われる投稿者は、「2列目に人が座ると音はしないが、空いているときは特定の異音が繰り返される」と訴えた。整備工場でも症状が一定に再現されないと原因の特定が難しいという旨の説明を受けたという。
コメント欄でも類似の経験談が相次いだ。一部のオーナーはシートの隙間や内装材の摩擦音の可能性を指摘し、別のオーナーは購入後短期間に整備工場を何度も訪れたと述べた。FSD(Full Self-Driving)機能には満足しているが、室内の異音や仕上げ品質には不満があるという声もあった。
繰り返される品質問題——過去のリコールと信頼性の歴史
テスラの仕上げ品質問題は過去にも指摘されてきた。韓国の消費者団体が与党議員室の資料を基に公開した内容によれば、テスラは2017年6月から2021年7月まで韓国内でドア関連の不具合により1,870件の無償点検・修理を実施したとされる。このうちドアの段差は188件、ドアの異音は93件だった。その後、同じ項目に関する最新の集計は確認されていないが、最近もオンラインコミュニティなどで室内の異音やシートの隙間といった仕上げ品質への不満が続いているとされる。
海外でもテスラの品質問題は繰り返し取り上げられてきた。米国の消費者専門評価機関コンシューマー・リポートは2019年のモデル3の信頼性評価において、オーナーから塗装・内装トリム・電装関連の問題が報告されたと明らかにした。これを理由に、同誌はモデル3の推奨評価を撤回した。
自動車専門家は、「テスラは量産過程で生じた問題を改善してきた経験が既存の完成車メーカーに比べて浅い」と指摘し、「コスト圧縮が品質に影響を及ぼす可能性がある」と語った。さらに「部品の耐久性でも既存メーカーとの差が生じる可能性がある」と付け加えた。
EVの構造が生む異音——内燃機関との決定的な違い
電気自動車の特性も室内の異音をより際立たせる要因となっている。内燃機関車と異なりエンジン音や振動が少ないため、同程度の騒音でも運転者にはより大きく認識されやすい。この専門家は「2列目に人が座っているときは音がしないが、空いているときに音がするならボルトの締め付けトルクなどを確認すべきだ」と説明した。組み立て工程でのトルク設定や出荷前の品質検査で見落とされた部分が影響している可能性があるという。
異音は特定の走行条件や路面状態、搭乗者の有無によって異なる形で現れ、整備の過程でも原因の特定が難しい。ただ、複数の車両で類似した症状が繰り返し報告されるならば、工程や部品品質の問題を疑うことができると専門家は指摘する。
モデル3とモデルYの販売が拡大するなか、テスラはもはや初期ファン層だけをターゲットとするブランドではない。FSDやOTA(無線ソフトウェアアップデート)といった先進機能を重視する初期ファン層を超え、一般消費者層にも広がっているため、室内の異音やシートの隙間といった基本的な品質への不満がより大きく浮上している。
FSDは進化しても品質はなぜ改善されないのか
テスラは電気自動車とソフトウェアを軸に自動車市場の変革をけん引してきたブランドとして広く評価されている。しかし、販売規模の拡大に伴い、消費者が求める水準も高まっている。業界では、テスラが技術革新だけでなく、組み立て精度や耐久品質など基本的な品質管理においても既存の完成車メーカーと同等の信頼を確保する必要があるとの指摘が出ている。