
ドナルド・トランプ米大統領が、中国の自動車メーカーの米国市場進出について「条件付き許可」という方針を打ち出した。
18日(現地時間)、「NikkeiAsia」などの報道によると、トランプ氏は最近デトロイト・エコノミック・クラブでの演説で、中国企業が米国に工場を建設して米国人を雇用するならば、市場参入を妨げない意向を明確にした。これは強力な関税障壁を維持しながらも、現地生産を通じた雇用創出を優先する実用主義的な路線と解釈される。
トランプ氏の「自国内生産」原則…「雇用すれば中国企業も歓迎」
デトロイト・モーターショーを前に自動車産業の中心地を訪れたトランプ氏の発言は、業界に大きな波紋を呼んだ。同氏は、従来の100%関税政策を維持しつつ、生産施設の現地化を前提とした進出は積極的に推奨する立場を示した。トランプ氏は「彼らが米国に来て工場を建て、あなたやあなたの隣人を雇用したいのであれば、それは素晴らしいことだ。中国であれ日本であれ、参入させればよい」と述べた。
トランプ政権による電気自動車(EV)補助金廃止および関連政策の変化により、ゼネラル・モーターズ(-3%)、フォード(-4%)、ステランティス(-11%)などデトロイトの「ビッグ3」の株価は一斉に下落したが、中国企業には新たな機会が開かれたとの分析もある。
吉利汽車の先制的な動き…「24~36カ月以内に進出発表」
中国の大手自動車グループである吉利汽車(ジーリー)は、すでに米国市場進出の具体的なタイムラインを検討中である。先週ラスベガスで開催された「CES2026」で、吉利の幹部は米国市場進出を積極的に検討していると明らかにした。吉利は、子会社であるボルボのサウスカロライナ工場を活用するか、ポールスターの生産ラインを共有する方式で「メイド・イン・USA」の中国車を披露する可能性が高い。同社は「Zeekr(ジーカー)」や「Lynk&Co(リンク・アンド・コー)」といったプレミアムブランドを前面に出し、品質重視の進出を狙っている。
BYDと価格競争力…「3万ドル未満」の脅威
世界EV販売首位の比亜迪(BYD)も米国市場を注視している。すでにブラジルなど南米市場で72%のシェアを占めて旋風を巻き起こした同社は、メキシコや米国本土での生産を通じて100%関税を回避する戦略を検討している。米国市場で消費者が期待する「合理的な価格」は2万~3万ドル(約310万~470万円)の範囲である。現在、中国で生産されたEVは関税を含めても価格競争力を維持しており、米国内での現地生産が実現すれば、フォードやGMの普及モデルにとって致命的な脅威になると予想される。
消費者主権の時代…「結局は品質と価格が決定する」
業界の専門家は、米中間の政治的緊張にもかかわらず、最終的な市場の勝敗は消費者の選択にかかっていると分析する。オートフォーキャスト・ソリューションズのジョー・マッケイブCEOは「中国企業が米国市場に入るのは時間の問題だ」とし、「品質と価格競争力を備えた製品が供給されれば、消費者は国の背景よりも製品自体の価値に反応するだろう」と見込んでいる。中国の自動車メーカーは現在、品質向上による直接進出、米国企業とのパートナーシップ、第3のブランド設立という3つの選択肢を持っている。2026年度のデトロイト・モーターショーが保守的な姿勢を見せたのに対し、水面下では中国発EVの攻勢が迫っている状況だ。