
一見しっかり締まっているように見えるホイールナットだが、その小さな部品が走行中の車輪脱落という重大事故を招くこともある。ナットは似ているようでも、メーカーによってネジピッチやレンチサイズ、シート面の形状が異なる。規格を確認せず交換するのは危険だ。今回はこの規格の違いと危険性を検討する。

統計もそれを裏付ける。日本ではナットの緩みや脱落による車輪脱落事故が2024年に120件、2025年には142件発生した。車輪脱落は重大な人命被害につながりかねず、単なる整備不良が道路上の全ての人を脅かす凶器となり得る。

規格はメーカーごとに異なる。トヨタ・三菱・マツダ・ダイハツはM12・ピッチ1.5・21HEX、ホンダは同じM12・P1.5でもレンチは19HEX。日産はM12・ピッチ1.25・21HEXで、スバルとスズキはピッチ1.25・19HEX。ランドクルーザーや一部レクサス、アルファード・ヴェルファイア40系はM14・ピッチ1.5・21HEXとなる。わずかな違いでも締結不良を招き、安全を左右する。

規格の違いは直径・ピッチだけではない。シート面の形状も重要だ。一般的な60度テーパーシートのほか、トヨタ・レクサスは平面シート、ホンダは球面シートを採用する。形状が合わないと外見上締まっていても接触不足で緩みやすい。似ているからと軽視せず、規格に確信が持てない場合は専門家に相談すべきだ。車輪脱落は全ての人を危険にさらすため、確実な点検が求められる。