「データは良好、現場はばらつき」テスラEV電池を巡る現実

【引用:TeslaRoamer】電気自動車の普及に伴い、バッテリー寿命と劣化に対する評価は二極化している。実測データを見る限り、リチウムイオンバッテリーは使用とともに緩やかに容量が低下するものの、一般的な使用条件では長期間にわたり安定した性能を維持する傾向が確認されている。一方で、車両ごとの差や使用環境の影響が無視できず、とくにテスラ車では個体差が大きいとの指摘があり、評価が分かれている。

【引用:テスラ】テスラが公表するインパクトレポートでは、約32万km走行後でもバッテリー容量の低下は初期値比で最大12%以内に収まるとされる。これは米国における平均的な車両廃車走行距離とほぼ同水準で、設計上は車両寿命とバッテリー寿命が概ね一致するという考え方に基づく。また2025年にPicklesAutomotiveSolutionsが発表した調査では、約13万km走行後も主要EVが平均90%以上の容量を維持しているとされ、ヒョンデのEVは平均99.3%、テスラは93.3%という結果が示された。

【引用:TeslaRoamer】一方、近年は一部のテスラ車両で想定より早い劣化が報告されている。具体的には、走行6か月・約9,600kmで容量が5%低下した例や、初年度から明確な劣化が見られたケースが確認された。こうしたばらつきを可視化するため、EVデータ愛好家のチャド・モラン氏は「TeslaRoamer」を開発し、実走行可能距離とEPA公称値の差から劣化率を算出している。その分析では、初期容量から30%以上低下した車両や、4年以上経過車の平均劣化率が10%を超える例も示された。

【引用:TeslaRoamer】テスラの保証方針では、一定水準を超える劣化が確認された場合、無償でのバッテリー交換が適用される。例えば2021年式モデル3RWDが約12万km走行後に31%の劣化を示した場合でも、保証は2029年または16万kmまで有効とされる。総合的に見れば、新車購入や標準的な使用条件下で過度に懸念する必要はないが、特定ロットやセル不良による早期劣化の可能性は否定できない。そのため中古EVを検討する際には、個体ごとのバッテリー状態確認が技術的に重要な判断材料となる。

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