【BYD苦戦】日本上陸2年でシェア0.1%未満、次の切り札は「軽EV」

引用:ニューシス
引用:ニューシス

中国の電気自動車メーカーBYDが日本市場に正式参入してから1年9か月が経過したが、シェアは0.1%未満にとどまっていることが明らかになった。しかし、「軽自動車大国」日本でBYDが来年、軽自動車規格の電気自動車を投入すれば、状況が一変する可能性があるとの見方が出ている。

韓国自動車研究院(KATECH)は16日、「BYDの日本進出の経過と展望」と題する報告書を発表した。同報告書によると、BYDの今年上半期における日本での販売台数は1,782台で、シェアはわずか0.08%だった。昨年1月の進出以来、年間2,383台を販売しシェア0.05%を記録したことと比較しても、依然として微々たる水準にとどまっている。

報告書は、日本の電動化への移行が主要国の中で極めて遅れていること、さらに狭い道路や駐車場証明制度などの要因により軽自動車の人気が高いことが、BYDの日本市場での影響力拡大を阻んでいると分析している。実際、BYDが日本市場で投入したモデルは、小型SUV「ATTO3」(2023年1月発売)、小型ハッチバック「DOLPHIN」(2023年9月)、中型セダン「SEAL」(2024年6月)、中型SUV「SEALION7」(2025年4月)の4車種で、軽自動車は含まれていない。

それでもBYDの販売台数は着実に増加傾向にある。特に電気自動車市場に限れば、今年第2四半期の日本における純電気自動車(BEV)およびプラグインハイブリッド車(PHEV)市場でのBYDのシェアは4.7%、BEV市場では8.7%にまで拡大した。また、日本での販売モデルの多様化やネットワークの拡充など、日本市場への積極的な姿勢を示し続けている。報告書は、先進国市場での活動を通じてブランド価値を高める間接的効果を狙っていると分析している。

特にBYDは来年下半期に、日本の軽自動車規格に適合する新型電気自動車の発売を予告している。日本では軽自動車を保有する世帯の69%が2台以上の車両を所有しており、主に市内走行用の「セカンドカー」として利用されている。リン酸鉄リチウム(LFP)バッテリーを搭載し、航続距離が比較的短いBYDにとって、軽自動車市場は他のセグメントよりも有利なフィールドと言える。

報告書は、2022年に発売され人気を集めている日産「サクラ」や三菱「eK」など、日本の軽自動車規格の電気自動車も、内燃機関車と比べれば販売台数が多いとは言えないとしつつも、軽自動車を選ぶ最大の理由が経済性にあることから、BYDが競争力のある電費と価格を備えたモデルを投入すれば、電気自動車および中国ブランドに対する抵抗感を克服できる可能性があると予測している。

あわせて読みたい

関連キーワード

コメントを残す

1件のフィードバック

  1. ICEと比べても競争力のある価格で軽自動車規格のBEVが出れば大いに需要があると思う。リン酸鉄Liバッテリーも安全性が高く、レアメタルも使わないことから普及価格帯に使用しやすいと思う。重量やエネルギー密度の問題はあるようだが、航続距離を伸ばさなくて良いセカンドカー需要なら問題ないかもしれない。ただ、環境面など従来言われていたBEVの優位性には疑問符がつくような状況であり、補助金を多用した強引な普及策は控えるべきと思う。
    また、ICEとBEVの出力面の公平性やそれこそ環境面の問題を考えたら現時点では軽自動車規格を1000cc未満に拡大するとか、或いは軽自動車規格自体やめるほうが効果的ではないだろうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

こんなコンテンツもおすすめです

CP-2023-0186-33708571-thumb
「マツダ2、静かな反撃」大改編なしで販売線図が動く、1.5Lが生んだ“逆転シナリオ”
CP-2023-0397-33707062-thumb
ホンダ「反撃の狼煙」米国EV市場でRSXが逆襲へ
CP-2023-0370-33692685-thumb
レクサスとトヨタ、韓国での売上高が急増中!一方、ホンダの現状は?
CP-2023-0065-33708584-thumb
「これじゃ本当に買えない!」ドイツの検査でテスラが"最多欠陥1・2位"を独占
CP-2024-0164-33810004-thumb
「世界が二度見した」ロレックスを“ホイール化”したロールスロイス、宝石商の狂気の発想
CP-2025-0055-33698712-thumb
【総点検】三角板から救急箱まで“ないと死ぬ”5装備、プロが最後に残した結論
CP-2023-0065-33690356-thumb
「エンジン車とは別世界」EVユーザーが最初に理解すべき“根本の違い”
CP-2023-0065-33705129-thumb
「100円で守れる冬の視界」知らなければ事故も…ワイパー不調の“真犯人”
  • アクセスランキング

    「マツダ2、静かな反撃」大改編なしで販売線図が動く、1.5Lが生んだ“逆転シナリオ”
    ホンダ「反撃の狼煙」米国EV市場でRSXが逆襲へ
    レクサスとトヨタ、韓国での売上高が急増中!一方、ホンダの現状は?
    「これじゃ本当に買えない!」ドイツの検査でテスラが"最多欠陥1・2位"を独占
    「世界が二度見した」ロレックスを“ホイール化”したロールスロイス、宝石商の狂気の発想
    【総点検】三角板から救急箱まで“ないと死ぬ”5装備、プロが最後に残した結論
    「エンジン車とは別世界」EVユーザーが最初に理解すべき“根本の違い”
    「100円で守れる冬の視界」知らなければ事故も…ワイパー不調の“真犯人”
    トヨタ「米国だけが救いだ」欧州で韓国に敗北、EV遅延が招く“覇権逆流”
    「ASは数週間待ち」独車のはずが…VWで広がる“絶望の声”

    最新ニュース

    CP-2023-0186-33708571-thumb
    「マツダ2、静かな反撃」大改編なしで販売線図が動く、1.5Lが生んだ“逆転シナリオ”
    CP-2023-0397-33707062-thumb
    ホンダ「反撃の狼煙」米国EV市場でRSXが逆襲へ
    CP-2023-0370-33692685-thumb
    レクサスとトヨタ、韓国での売上高が急増中!一方、ホンダの現状は?
    CP-2023-0065-33708584-thumb
    「これじゃ本当に買えない!」ドイツの検査でテスラが"最多欠陥1・2位"を独占
    CP-2024-0164-33810004-thumb
    「世界が二度見した」ロレックスを“ホイール化”したロールスロイス、宝石商の狂気の発想
    CP-2025-0055-33698712-thumb
    【総点検】三角板から救急箱まで“ないと死ぬ”5装備、プロが最後に残した結論

    主要ニュース

    CP-2023-0342-33680581-thumb
    トヨタ「米国だけが救いだ」欧州で韓国に敗北、EV遅延が招く“覇権逆流”
    CP-2024-0164-33792116-thumb
    「ASは数週間待ち」独車のはずが…VWで広がる“絶望の声”
    CP-2024-0164-33792148-thumb
    「静寂が崩れ落ちた」ミシュラン高級タイヤで吸音材が連続脱落、EVオーナーの怒りが爆発
    CP-2023-0065-33693899-thumb
    「誰が勝てないと言った?」V8を直線加速でねじ伏せた“4気筒”の5モデル
    CP-2025-0252-33686837-thumb
    【冬の寒波警報】知らぬ間に奪われる“車の体力”、始動不能を呼ぶ3つの兆候
    CP-2023-0065-33688310-thumb
    「始動直後に暖房を入れる習慣」冬のエンジンを急速に傷める危険な実態