「407馬力 × EV135km」…日産が全てを詰め込んだ「ピックアップの未来形」が、今オフロード界に波紋を広げている

日産のPHEVピックアップトラック
「フロンティアプロ」公開
電動化イメージを前面に押し出した新デザイン

引用:YouTubeチャンネル「ZHBO cars」

日産が電動化戦略の一環として、新型ピックアップトラック「フロンティアプロ」を発表した。ブランド初となるプラグインハイブリッド(PHEV)ピックアップで、中国市場を起点としたグローバル展開が予定されている。現地法人・鄭州日産が手がけたZ9をベースに開発されており、北米市場向けの「フロンティアプロ-X」とはまったく異なる設計思想が反映されている。デザイン面では1980年代の名車「D21ハードボディ」からインスピレーションを得たレトロな雰囲気と、最新技術を融合。古き良きピックアップのタフな印象と、先進性を両立したスタイルに仕上がっている。

フロンティアプロはPHEV技術をピックアップトラックに本格投入する初の試みであり、今後の多面的な電動化戦略における重要な起点と位置づけられる。135kmのEV走行距離(中国基準)と、システム出力407馬力以上のパフォーマンス、高いオフロード性能を備え、多目的性と革新性を両立。年内にも中国で生産が開始される見通しで、将来的な輸出展開も視野に入っている。

引用:YouTubeチャンネル「ZHBO cars」
引用:YouTubeチャンネル「ZHBO cars」

ハイブリッド技術を搭載
大幅に進化したピックアップトラック

フロンティアプロの心臓部は、1.5Lターボエンジンと高出力モーターを組み合わせたPHEVシステムだ。電動モーターを組み込んだ自動変速機を搭載し、システム出力は407馬力、最大トルクは81.6kgmに達する。オフロードに最適化された出力特性を持ち、PHEVでありながら走行性能に妥協はない。電子制御リアデフロックや5リンク式リアサスペンション、インテリジェント4WDシステムといった装備により、悪路走破性にも優れる。

135kmのEV走行距離は競合モデルと比べても高水準にあり、都市部での短距離移動におけるゼロエミッション走行を実現する。多彩な走行モードもフロンティアプロの特徴のひとつ。ハイブリッド、EV、パフォーマンスといったモードを状況に応じて切り替えることで、最適なドライビングフィールを提供する。単なるスペックの高さにとどまらず、ドライバー中心の設計思想が随所に反映されている点が評価されている。

引用:YouTubeチャンネル「ZHBO cars」
引用:YouTubeチャンネル「ZHBO cars」

伝統と未来の融合
フロンティアプロのデザイン戦略

エクステリアはD21ハードボディの系譜を受け継ぎながら、現代的な解釈を加えたもの。力強いフロントグリルと角張ったボディラインが、クラシックなピックアップの持つ頑丈さを強調しつつ、新たな層にもアピールするデザインとなっている。インテリアでは、14.6インチの大型ディスプレイとデジタルメーターを中心としたデジタル空間を構築。シートヒーターやベンチレーション、マッサージ機能など、快適性を追求した装備も充実しており、上級SUVに匹敵する質感を実現している。

荷台カバーも電動式を採用し、利便性と機能性の両立を図っている。総じてフロンティアプロは電動化時代における「使えるPHEVピックアップ」という新たな市場セグメントを提示したモデルと言える。日産の技術力とデザイン哲学が結晶した一台として、今後の市場展開に大きな影響を与える存在になる可能性が高い。過去の名車に敬意を払いつつ、未来へと踏み出すこのモデルがPHEVピックアップというジャンルをどこまで切り拓くか、注目が集まる。

あわせて読みたい

関連キーワード

コメントを残す

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

こんなコンテンツもおすすめです

CP-2023-0065-30239188-thumb
【黒き咆哮】“F-150ロボ”が400馬力V8で降臨…ストリート仕様の怪物ピックアップ、今秋上陸へ
CP-2022-0212-30243147-thumb
【物流革命】トヨタが“排出ゼロ×40トン級”を実戦投入…欧州中枢で始まった静かなる実証とは
CP-2022-0212-30222519-thumb
「IMSAで劇的逆転」アストンマーティンが魅せた“雨中の追撃劇”…GT4でも初陣優勝の快挙連発
CP-2022-0212-30223783-thumb
【100万台販売】BYD「アト3」が3年4ヶ月で世界を席巻…欧州勢も顔色失うEV旋風!
CP-2023-0065-30191645-thumb
「猛暑でエンジン炎上⁉︎」 夏前に必ず点検したい車の“6大チェックポイント”とは
CP-2022-0212-30223781-thumb
「EV世界2200万台へ爆増」…中国がシェア66%を握り、米国は1400万台下方修正で揺れる
CP-2022-0212-30223782-thumb
「ロボタクシー戦線拡大」…Waymo、アトランタ上陸!週30万件超の配車需要を飲み込む
CP-2023-0065-30171689-thumb
【終焉宣告】ホンダ・シビックタイプR「アルティメット・エディション」、最後の咆哮で324馬力を叩きつける
  • アクセスランキング

    【黒き咆哮】“F-150ロボ”が400馬力V8で降臨…ストリート仕様の怪物ピックアップ、今秋上陸へ
    【物流革命】トヨタが“排出ゼロ×40トン級”を実戦投入…欧州中枢で始まった静かなる実証とは
    「IMSAで劇的逆転」アストンマーティンが魅せた“雨中の追撃劇”…GT4でも初陣優勝の快挙連発
    【100万台販売】BYD「アト3」が3年4ヶ月で世界を席巻…欧州勢も顔色失うEV旋風!
    「猛暑でエンジン炎上⁉︎」 夏前に必ず点検したい車の“6大チェックポイント”とは
    「EV世界2200万台へ爆増」…中国がシェア66%を握り、米国は1400万台下方修正で揺れる
    「ロボタクシー戦線拡大」…Waymo、アトランタ上陸!週30万件超の配車需要を飲み込む
    【終焉宣告】ホンダ・シビックタイプR「アルティメット・エディション」、最後の咆哮で324馬力を叩きつける
    【ニュル24h完走】6年ぶり復帰のトヨタ、GRヤリス&スープラが“地獄サーキット”をねじ伏せた!
    「NISMOの本気が宿る巨体」日産が作った“別格のSUV”… 空力・剛性・エンジンサウンドすべてが“チューニング済み”

    最新ニュース

    CP-2023-0065-30239188-thumb
    【黒き咆哮】“F-150ロボ”が400馬力V8で降臨…ストリート仕様の怪物ピックアップ、今秋上陸へ
    CP-2022-0212-30243147-thumb
    【物流革命】トヨタが“排出ゼロ×40トン級”を実戦投入…欧州中枢で始まった静かなる実証とは
    CP-2022-0212-30222519-thumb
    「IMSAで劇的逆転」アストンマーティンが魅せた“雨中の追撃劇”…GT4でも初陣優勝の快挙連発
    CP-2022-0212-30223783-thumb
    【100万台販売】BYD「アト3」が3年4ヶ月で世界を席巻…欧州勢も顔色失うEV旋風!
    CP-2023-0065-30191645-thumb
    「猛暑でエンジン炎上⁉︎」 夏前に必ず点検したい車の“6大チェックポイント”とは
    CP-2022-0212-30223781-thumb
    「EV世界2200万台へ爆増」…中国がシェア66%を握り、米国は1400万台下方修正で揺れる

    主要ニュース

    CP-2023-0215-30142549-thumb
    【ニュル24h完走】6年ぶり復帰のトヨタ、GRヤリス&スープラが“地獄サーキット”をねじ伏せた!
    CP-2023-0215-30219449-thumb
    「NISMOの本気が宿る巨体」日産が作った“別格のSUV”… 空力・剛性・エンジンサウンドすべてが“チューニング済み”
    CP-2023-0397-30206571-thumb
    「市販化は本当に近いのか?」…“株価11%上昇”を呼んだテスラAIタクシーの現在地
    CP-2022-0028-30185796-thumb
    「RX-7が帰ってくる?」…“ロータリー復活”を背負う新型スポーツの正体とは
    CP-2025-0103-30222854-thumb
    「1,341馬力は現実か?」…“AMG最速EV”GT XXが描く異次元の未来とは
    CP-2023-0065-30168224-thumb
    「Sクラスと何が違う?」…“最上級セダン”マイバッハが生む別次元の所有感とは