
消灯時にはボディラインへと溶け込み、点灯した瞬間だけその輪郭を現す——そんな仕掛けを備えたライティング技術が、いま注目を集めている。アキュラが披露した新型コンセプトカー「NEXERA Vision(ネクセラ・ビジョン)」に採用された「ファントムライティング」だ。非点灯時にはボディと一体化してシームレスな面を保ちながら、点灯時にのみ彫刻的なフォルムが浮かび上がる設計となっている。
この一台は、アメリカン・ホンダモーターが2026年8月13日に米国で世界初公開したコンセプトモデルで、ブランド誕生40周年を迎えたアキュラの次世代デザインの方向性を打ち出すべく、米国カリフォルニア州のアキュラデザインスタジオで開発された。ブランドの核となる理念「チャレンジングスピリット」に着想を得て、普遍的な美しさと先進技術を融合させた次世代デザイン言語を提案することが、このコンセプトカーの狙いだ。
エクステリアでは、フロントタイヤの中心からダッシュボードまでの距離、いわゆるダッシュ・トゥ・アクスルを長く取ることでキャビンを後方に配置し、パフォーマンスカーならではの伸びやかなプロポーションを実現。これにワイド&ローの力強いスタンスが加わり、躍動感のある佇まいを際立たせている。V字型に開くデュアルヒンジ式のバタフライドアも、アキュラのパフォーマンスDNAを視覚的に印象づける要素となっている。
先に触れたファントムライティングは、極薄形状のヘッドランプとテールランプによって実現されており、アキュラの頭文字「A」をモチーフにしたライティングシグネチャーがブランドアイデンティティを表現する。このライティングシグネチャーは、ブランド初となる2モーターハイブリッドシステムを搭載し数年以内の発売が予定される次期「RDX」を皮切りに、今後アキュラの全ラインナップへ順次採用されていく計画だ。
インテリアは、ドライバーとの一体感と開放感を同時に高めることに主眼が置かれた。ブラック&ホワイトを基調とした空間に鮮やかなピンクをアクセントとして配し、印象的なコントラストを演出。再生ポリエステル素材のアルカンターラ、サーキュラーエコノミーに貢献する本革素材「サーキュレザー(Circuleather)」、再生アルミニウムなど、サステナビリティに配慮した素材を随所に採用し、環境に配慮した次世代のプレミアム価値を志向した。
ホンダ・ディベロップメント・アンド・マニュファクチュアリング・オブ・アメリカ所属のアキュラクリエイティブディレクター兼オートデザイン担当副社長、土田康剛氏は「40周年を新たな挑戦への節目とし、ネクセラ・ビジョンを今後のアキュラのデザイン言語として位置づけたい」とコメント。「普遍的な美しさと先進技術を融合させることで、アキュラらしい美しさとパフォーマンスを新たな形で表現することを目指した」と語り、「今後のアキュラのラインナップにおいても、このデザインの方向性を一貫して具現化し、進化させていく」と続けた。
ネクセラ・ビジョンは、米国カリフォルニア州で開催される、ビンテージカーからレースカーまで多彩な車両が集う祭典「モントレー・カー・ウィーク」の関連イベント「The Quail(ザ・クエイル)」(現地時間8月14日)および「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」(同8月16日)にて展示される。