
メルセデス・ベンツがアメリカでの生産・販売などの活動を全面中断する可能性があるとの観測が出ている。
敵対国の出資企業を狙う「2026年自動車現代化法案」
5月29日(現地時間)、CNBCなど複数の海外メディアは、アメリカ議会が「2026年自動車現代化法案(Motor Vehicle Modernization Act of 2026)」の立法を推進していると報じた。この法案は、「海外敵対国」の政府が直接的または間接的に株式を保有する自動車メーカーのアメリカ国内での活動を全面的に禁止する内容を含んでいる。
敵対国には中国、ロシア、北朝鮮、イラン、シリアなどが含まれる。法案の草案には株式保有率15%を基準に、活動停止の期限として来年1月1日が明記されている。
ベンツ最大株主は中国企業、敵対国の保有株は19.67%
法案が発議されると、業界の関心は即座にメルセデス・ベンツへと集まった。現在、ベンツの最大株主は中国国営自動車企業の北京汽車集団(BAIC)で、株式9.98%を保有している。さらに、ジーリー(吉利汽車)のリー・シューフー会長もTenacious3 Prospect Investment Limitedを通じてベンツ株式9.69%を保有している。
ただし吉利も中国系企業であるため、アメリカの基準で敵対国の政府が保有するとみなされるベンツの株式は19.67%に達する。
成立すれば来年から米国での生産・販売が禁止に
今回の法案が成立した場合、ベンツは米商務省に対し、自社車両に搭載されたコネクティビティ技術が株主の権利行使と完全に切り離されていることを証明できなければ、来年以降はアメリカでの生産・販売活動が禁止される。
一方、ベンツの北米本社はジョージア州サンディスプリングスに位置している。近くにR&Dセンターを運営し、アラバマ州で新車工場も運営している。2025年第4四半期(10月〜12月)、ベンツはアメリカで新車7万8,500台を販売した。前年同期比3%減となっている。同期間のグローバル総販売台数は49万9,700台で、前年同期比6%減。全体販売に占めるアメリカ市場の割合は15.7%だ。