プリウスも失速…夏に燃費12%悪化、HVの意外な弱点をAAAが確認

引用:アメリカ自動車協会
引用:アメリカ自動車協会

アメリカ自動車協会(AAA)の最新研究が、ハイブリッド車と電気自動車の双方が極端な気温環境において航続距離と効率が低下することを改めて確認した。ただし、今回の結果にはAAAの研究チームさえ予想していなかった内容も含まれており、注目を集めている。一般的に電気自動車は寒冷な気候でより大きな影響を受けるとされているが、ハイブリッド車はむしろ暑い夏季に効率低下がより顕著に表れる結果となった。

今回のAAA研究は、ハイブリッド車と電気自動車を比較する形で進められた。試験対象はホンダ・CR-Vハイブリッド、トヨタ・プリウス、ヒョンデ・ツーソン ハイブリッド、シボレー・エクイノックスEV、フォード・マスタング Mach-E、テスラ・モデルYなどで、シャシーダイナモを用いたテスト方式により、摂氏マイナス7度、24度、35度の3環境で実施された。

引用:アメリカ自動車協会
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低温でEV航続39%減・HV燃費23%低下

結果によると、電気自動車は低温環境で平均約39%の航続距離の減少と35.6%の電費低下(MPGe〈ガソリン換算燃費〉基準)を記録した。一方、ハイブリッド車は平均約23%の燃費低下を示している。

AAAはこの結果をコスト面でも換算している。米国基準で約1,609km(1,000マイル)走行あたりの燃料費増加は、ハイブリッド車で約28.44ドル(約4,500円)、電気自動車では自宅充電で約32.11ドル(約5,100円)、公共充電器を利用した場合には約76.93ドル(約1万2,100円)に達する。なお、この試算はガソリン価格が1ガロン(約3.785リットル)あたり3.978ドル(約630円)、家庭用電力料金が1kWhあたり0.1745ドル(約28円)、公共充電料金が1kWhあたり0.418ドル(約66円)という条件に基づいている。

引用:アメリカ自動車協会
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EV熱管理システムとバッテリー種類の影響

研究結果にはいくつかの変数も存在する。電気自動車の熱管理システムとバッテリーの種類が結果に著しく影響したためだ。例えば、マスタング Mach-Eにはヒートポンプが搭載されているのに対し、エクイノックスEVには採用されておらず、低温環境での効率面で顕著な差が生じた。

モデルYの結果も注目に値する。同モデルには一般的にヒートポンプが標準搭載されているが、テスト車両が旧型のLFPバッテリー搭載モデルである可能性が指摘された。LFPバッテリーは低温環境での性能低下幅が大きい特性を持つ。

引用:アメリカ自動車協会
引用:アメリカ自動車協会

バッテリー予熱機能とヒートポンプの進化

実際の運用環境に目を向けると、バッテリーの予熱機能とヒートポンプ制御技術が進化しており、冬季の航続距離の減少幅が30%以内に抑えられるケースも多い。今回のテストで確認された約47%の減少は、短距離走行の繰り返しや頻繁な室内暖房使用といった条件が影響した結果と考えられる。

引用:アメリカ自動車協会
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高温環境でHV効率12%低下の意外な弱点

逆に高温環境では、ハイブリッド車の効率低下がより顕著に表れた。35度環境でハイブリッド車は平均約12%の燃費低下を示したのに対し、電気自動車は約10.4%の効率低下にとどまっている。実際の航続距離の減少幅は約8.5%程度と比較的限定的だった。

引用:アメリカ自動車協会
引用:アメリカ自動車協会

AAAはこうした結果について、「電気自動車が寒冷環境で効率低下を示すことは想定内だったが、ハイブリッド車が低温環境で約23%の燃費低下を示したことは予想を上回る数値だった」と述べている。

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