
自動車業界でほとんど存在感のなかったシャオミが、今やテスラを追い詰める主役とまで言われるようになった。
シャオミは中国・北京に本社を構える多国籍IT企業で、特にスマートフォンで知られている。世界第2位のスマホメーカーであり、「中国のアップル」とも呼ばれる存在だ。
数年前、創業者のレイ・ジュン氏が自動車産業への参入を宣言。その結果、現在シャオミの自動車部門は2024年から電動フラッグシップセダン「SU7」を、今年初めからは中型SUV「YU7」の生産・販売を開始している。

なお、4ドアEVセダン「SU7ウルトラ」はドイツ・ニュルブルクリンク北コースでEVの新記録を樹立。リマック・ネヴェーラのハイパーカーを上回るタイムを叩き出した。
フラッグシップのSU7はテスラ・モデルSやポルシェ・タイカンを直接のライバルとし、YU7はテスラ・モデルYと競合する。
さらに、シャオミは2027年の欧州市場参入を計画中で、SU7とYU7が欧州で販売される可能性が高いと見られている。競合よりも低価格戦略を打ち出し、市場シェアを積極的に拡大すると予想される。

また一部では、欧州市場向けに小型EVを開発中との憶測も出ている。SNSで「tedoradze.giorgi」として活動するジョルジ・テドラゼ氏は、シャオミ新モデルを想像して制作した「SU3ハッチバック」のレンダリングを公開した。
この小型EVはフォルクスワーゲンID.3に挑むエントリーモデルで、欧州の街並みに急速に浸透する可能性を秘めている。ただし、このアイデア自体は決して新しいものではない。
テスラも数年前から、欧州を含む世界市場向けの低価格小型EVを開発すると予告していた。欧州市場の特性を考えれば、ハッチバックタイプは理にかなった選択といえる。
果たしてシャオミは中国同様、欧州でも爆発的な成功を収めるのか。そして欧州向け小型EVを実際に投入するのか。その行方に注目が集まっている。