「よかれと思って」入れたものが、エンジンを内側から壊していく! 昔は当たり前だった3つの整備が、いまは命取りになる

【引用:Depositphotos】現在の自動車エンジンは、航空宇宙グレードの素材と精密な公差で設計されたコンピューター制御の高効率エンジンであり、昔の整備方法をそのまま適用すると致命的な損傷を招きかねない。ネット上の情報や年長者の助言をうのみにした結果、良かれと思って行った整備が高額な修理費を招くこともある。特に「エンジンがきれいになる」といった俗説には注意が必要だ。キャブレター式エンジンの時代には通用しても、微細な隙間で部品がかみ合う現在のエンジンには害になる場合が多い。今回は、エンジン破壊への近道となる3つの俗説を紹介する。

【引用:Depositphotos】1つ目は食器用洗剤だ。洗浄力でスラッジを落とせるという俗説があるが、洗剤はオイルを泡立たせ「オイルエアレーション」を引き起こす。泡立ったオイルはオイルポンプが正常に送り出せず、流量と油圧が低下して金属部品への潤滑が不足する。さらに空気混じりのオイルは断熱材のように作用してエンジンを過熱させ、摩擦と相まって焼き付きやコネクティングロッドの折損を招くこともある。スラッジが気になる場合は、洗剤ではなく規定オイルへの適切な交換が正しい対処法だ。

【引用:Depositphotos】2つ目は過剰な始動補助液、つまりエーテルだ。旧式のキャブレター式エンジンやディーゼルエンジンの冷間始動に使われたが、高圧縮比・電子点火の現在のエンジンには危険だ。引火点が極めて低く、ピストンが上死点に達する前に発火し、深刻なノッキングと機械的負荷によりリングランドの破損やコネクティングロッドの曲がり、ピストンピンの破損を招く。エーテルは強い溶剤としてシリンダー壁の油膜も洗い流すため、焼き付きにもつながる。ブレーキフルードを代用することも避けるべきだ。冷間時にかかりにくい場合は、バッテリーやグロープラグなど原因箇所の点検が先決だ。

【引用:Depositphotos】最後は灯油だ。かつてはスラッジ除去のためエンジンに灯油を入れて洗浄することもあったが、精密なベアリングクリアランスと特殊添加剤入りの合成油を使う現在のエンジンには通用しない。灯油は粘度が低く潤滑性能に乏しいため油膜を維持できず、金属同士が接触してクランクシャフトやカムベアリングを損傷させるおそれがある。摩擦熱で部品が溶けたり融着したりし、最終的に焼き付きを引き起こす。現在のメーカーはエンジンフラッシング自体を推奨しておらず、指定の合成油の使用のみを案内している。俗説よりもメーカー指定の方法に従うことが、エンジンを長持ちさせる近道だ。

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