
【引用:Depositphotos】自動車の燃費や給油をめぐる俗説は多い。知人や整備士の話、インターネット上のコミュニティなどからさまざまな「お得情報」が飛び交うが、実際には事実とかけ離れたものがほとんどだ。信じて実行すれば無駄な出費を招き、かえって車に悪影響を与える習慣が身につきかねない。長年常識とされてきた通念の中には、すでに科学的に誤りだと証明されているものも多い。ガソリン価格が高騰している今、誤った常識はそのまま不要な支出につながる。裏を返せば、事実を正しく知ることが燃料費の節約と車の維持につながる。今や捨てるべき代表的な燃料の誤解を9つ取り上げる。

【引用:Depositphotos】最も一般的な俗説が「ハイオクガソリンを入れると性能が良くなる」というものだ。ハイオクの違いはノッキングを抑えるオクタン価が高い点だけで、メーカーがハイオクを指定する高性能車・高級車でなければ特段の利点はない。「燃料添加剤がエンジンを生まれ変わらせる」という思い込みも誇張で、添加剤の働きはインジェクターの洗浄や腐食防止などに限られる。「燃料に賞味期限はない」というのも事実ではない。精製されたガソリンは時間とともに変質し、タンク内で約1か月、密閉容器なら3〜6か月、ハイオクは9か月程度までもつとされる。酸素や湿気、熱は変質を早める。

【引用:Depositphotos】運転習慣をめぐる誤解も多い。「窓を開けたほうが常に燃費に有利だ」という通念があるが、エアコンは短距離では燃費を最大25%まで悪化させる一方、窓を開ければ空気抵抗が増し、高速走行ではかえって損になる。「アイドリングは再始動より燃料を節約できる」という説も誤りだ。アルゴンヌ国立研究所によると、10秒以上アイドリングすると、その消費量は再始動を上回る。「朝に給油すると燃料が多く入る」という俗説も根拠が薄い。地下の貯蔵タンクは厚く断熱されて温度が一定に保たれており、温度変化によって給油量が有意に増えることはない。

【引用:Depositphotos】「MT車はAT車より燃費が良い」という話も、もはや過去のものだ。近年のATは7速・8速・9速と多段化が進み、デュアルクラッチ技術も備えており、MT車に匹敵するか、むしろ上回る。「小型車は常に燃費が良い」というのも思い込みだ。2014年に英国で行われた調査では、小型の内燃機関車のドライバーほど強く加速し、速度も出す傾向があるため、公表値より多くの燃料を消費するという結果が出た。「暑い天候で燃料タンクが爆発する」という不安も根拠がない。ガソリンが別の点火源なしに自然発火するには約257度(華氏495度)が必要で、断熱されたタンクでは到達しない温度だ。根拠のない俗説に振り回されるより、事実に基づいて判断することが財布と車を守る道になる。