
運転手がドアを開けて車から降りたが、車両が駐車状態に切り替わらない場合、どうなるだろうか。メルセデス・ベンツは、運転席ドアの開放を正しく感知できず車両が意図せず動く可能性のある欠陥を確認し、アメリカで31万台以上を対象に大規模リコールを実施した。
対象は一部2020~2021年型CLA、2019~2022年型Aクラス、2022~2023年型Cクラス、2024年型CLE、2020~2026年型GLAとGLB、2023~2024年型GLCだ。

#運転席ドアの開放を感知できないと駐車機能が作動しない可能性がある
問題は運転席ドアのロック装置内部に設置されたマイクロスイッチだ。米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)に提出された文書によると、スイッチハウジングが湿気の侵入を十分に遮断できず、時間が経つにつれて内部部品が腐食する可能性がある。腐食が進むとスイッチが故障し、運転席ドアが開いている状態を車両が正しく感知できなくなる可能性がある。
ドアロック機能自体は正常に作動する可能性がある。問題はドアの開放の有無と連動する安全機能だ。

一部のベンツ車両は運転手がドアを開けると電子式駐車ブレーキを作動させたり、車両を自動的に駐車状態にする機能を備えている。しかし、マイクロスイッチがドアの開放を認識できないと、この機能が自動的に作動しない可能性がある。
この場合、運転手は車両が固定されていると思って降車しても、実際には車両が傾斜などで動き出す「ローアウェイ」事故につながるリスクが高まる。車両が運転手の意図に反して動けば、衝突や人身被害の可能性が高まる。

#ラジオが消えない場合は異常のサインだ
運転手は一部の便利機能の異常から問題を事前に察知できる場合がある。
代表的な症状は運転席ドアを開けて車両から降りた後もラジオやインフォテインメントシステムがずっとオンになっている場合だ。車両がドアの開放を認識できないと、電源を終了すべき時点を判断できない可能性があるからだ。

欠陥の原因は部品供給業者の生産・開発過程で発生したばらつきだと調査された。ドアロックスイッチハウジングに耐久性基準を満たさない素材が使用され、湿気の侵入と腐食の可能性が高まったと分析された。

なお、運転席ドアを開けた後もラジオが消えない、または車両が駐車状態に正常に切り替わらない異常が現れた場合、自動機能にのみ依存せず、変速機が「P」に置かれているか確認した後、電子式駐車ブレーキを直接作動させることが安全だ。