
車に乗ろうとしてドアやフェンダーに身に覚えのない傷やへこみを見つけるのは、ドライバーにとって困惑する経験だ。主にドライブレコーダーの死角で起きる「ドアパンチ」は加害者の特定が難しく、被害者が修理費を全額負担するケースも多い。ひどい場合は修復費用が数万円規模から11万2,000円以上に達し、経済的・心理的ストレスを与える代表的な駐車場トラブルとされる。

ドアパンチが後を絶たない最大の原因は、大型化した車に対して駐車スペースが狭いことだ。最近の車は全幅が2,000mmに迫る一方、既存建物の駐車区画は旧基準の2,300~2,500mm程度にとどまる。隣の車を考慮せずドアを大きく開ける不注意な習慣も重なり、日常的に発生している。

対策の一つは、片側が塞がれた柱脇や端の駐車スペースを選ぶことだ。片側のリスクをなくすことで事故確率を大幅に減らせるとされる。また、ドアエッジに取り付けるシリコンやゴム製の防止パッドを使えば、開閉時の衝撃を吸収し、双方の車の損傷を防げる。

根本的な解決には、ドライバー自身が手でドアを押さえて慎重に降車する思いやりの文化を定着させる必要がある。加えて、車両の大型化に合わせた駐車場規格の見直しや、死角を減らす多チャンネルドライブレコーダーの導入など、制度・技術面の対策を並行して進めることが求められる。