中国は世界を喰い、韓国は欧州を制し、日本はいまだに水素に夢を見る…アジアEV三国志の“勝ち筋”が完全に分かれた

日中韓のEV市場を比較してみた
各国の特徴を分析すると
意外な違いが見えてきた

引用:YouTubeチャンネル「中古車知識講座」

EV市場の拡大が加速している。数年前まで国内で選べるEVはごく限られていたが、現在では軽自動車からCセグメント、ミッドサイズセダン、大型SUVに至るまで、選択肢は大きく広がっている。今後登場予定の新型EVの多くは各セグメントで初のモデルとなる見通しで、市場はさらに多様なニーズに応える段階へと進化しつつある。

では、韓国や中国といった近隣諸国のEV市場はどうなっているのか。日本では両国からのEV輸入がまだ少なく、実感しづらい面もあるだろう。東アジア3カ国のEVのデザインやブランド、市場環境、経済状況などを踏まえ、各国の特徴を比較してみる。

引用:Naverカフェ「電気自動車同好会」
引用:現代自動車グループ

欧米市場を魅了する韓国製EV
輸出中心で高性能モデルも存在感を強める

韓国製EVは、欧州の感性を取り入れたデザインと、EV専用プラットフォームに基づく完成度の高いパッケージングで注目を集めている。とくに現代自動車グループは「E-GMP」を活用し、流麗なフォルムとレトロな雰囲気を融合させた独自スタイルを確立した。LGエナジーソリューションやサムスンSDI、SKオンなど、世界トップレベルのバッテリーメーカーが性能面を支えている点も強みだ。

高性能EV市場においても存在感を増している。たとえばアイオニック5 Nは、走行性能と耐久性のバランスが評価され、多くの市場で好評を得ている。一方で、韓国の国内市場におけるEVの普及率は依然として発展途上にある。EVの販売比率はおよそ10〜15%にとどまり、輸出偏重の傾向が強い。欧州や北米への依存度が高い点も指摘されている。とはいえ、車両価格の安定や充電インフラの整備が進んでおり、内需市場の成長にも期待がかかる。

引用:BYD
引用:百度

自給自足体制が進む中国EV
内需だけで3割に迫るシェア

中国は世界最大のEV市場を抱える国だ。政府による購入補助や税制優遇、ナンバープレートの特例措置など強力な政策支援のもと、多数のメーカーが台頭し、デザインや技術で独自の進化を遂げている。代表例としてはBYD、NIO、Xpeng(シャオペン)などがあり、とくにBYDは韓国市場への参入を本格化させている。

中国EVの特徴は、ソフトウェアを中核とした設計とサプライチェーンの自立性にある。OTAアップデートに積極的で、自社製バッテリーを使用するBYDのような例も多い。韓国と異なり、内需主導の成長が顕著で、EVの販売比率はすでに3割近くに達している。最近ではオーストラリアや南アフリカに続き、欧州、日本、韓国といった主要市場へも進出し、グローバル展開を一層加速させている。

引用:ホンダ
引用:SME

慎重姿勢を崩さない日本のメーカー
EVと水素、二本柱での展開

日本は東アジア3カ国の中で最もEV化への動きが遅いとされている。トヨタ、日産、ホンダといった大手メーカーはハイブリッド車で強い存在感を持ちつつ、徐々にEVのラインナップを増やしている。日本のEVは、空力よりも室内空間を優先するなど、実用性重視の設計が多い。これは狭い道路や駐車スペースといった国内事情に合わせたものであり、日本らしい特徴といえる。

EVの国内シェアは5〜7%程度と低く、政策的にも中国や韓国と比べて後れを取っている。消費者の多くが依然としてハイブリッド車を好む傾向があり、EVへの切り替えには慎重な姿勢を見せている。また、日本では水素燃料電池車の開発も並行して進められており、脱炭素に向けたエネルギー戦略において多様性を重視する姿勢が際立つ。

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