
世界最大の自動車市場である中国で、日本ブランドの存在感低下が続く中、ホンダが直面する状況は特に厳しい。販売急減を受け、ホンダは新車設計の主導権を日本本国から中国の現地チームへ委ねる決定を下した。自国で車を企画・設計してきた従来の方式を自ら手放した格好で、広汽集団とホンダの合弁会社である広汽ホンダは、開発費を半分に削減する勝負手に出た。

広汽ホンダの2026年1〜7月の販売台数は約80,000台にとどまり、前年同期比で実に53%急減した。2020年に807,000台でピークを迎えたが、昨年はその半分にも満たない352,000台まで落ち込んだ。2025年に投入した純電気自動車「P7」も期待ほどの成果を上げられず、価格・性能を兼ね備えた現地ブランドの躍進の前に苦戦が続いている。

広汽ホンダは、両社の株主資源を統合した新エネルギー車2車種を含む計5車種の新型車を、今後2年以内に投入する計画だ。開発費用に加え開発期間・工数も半減させ、生産効率を20%引き上げる方針で、サプライチェーンの統合も進める。1,000カ所を超える販売拠点網も構築し、ホンダと広汽集団は合弁契約を2038年まで延長した。

本国で車を企画し世界に送り出してきた日本ブランドが、世界最大の市場で開発の主導権を現地へ丸ごと渡したことは、中国市場の地位と変化の速さが際立っていることの表れだ。これはホンダに限らず、中国で苦戦する多くのグローバル自動車メーカーに共通する課題でもある。すぐに巻き返しが保証されるわけではないが、この勝負手が復活につながるかどうか、その結果に注目が集まる。