
2025年10月20日、シンガポールのショッピングモール近くの住宅街デイリー・ファーム・レーンで、黄色いポルシェ・ケイマンのトランクに7歳と8歳の息子2人を後ろ向きに座らせたまま走行する様子が撮影された。撮影者は母親で、この動画はSNSに投稿されたという。運転していたのは当時40歳のプレム・アナン・スグナクマールだった。

子どもたちは後付けのウイングにしがみついて体を支えるのみで、安全装置と呼べるものはなかった。現場を目撃した別のドライバーが警察に通報し、事件が発覚した。警察は2026年3月にスグナクマールを逮捕し、14歳未満の子どもを危険にさらす無謀な行為1件について有罪を認めた。過去にも交通法規違反歴があったことが量刑に反映されたと伝えられている。

裁判所は6か月間の運転免許停止に加え、同容疑に適用できる最高額となる5,000シンガポールドル(約62万5,000円)の罰金を科した。これによりスグナクマールはおおむね2027年初めまで運転できなくなった。裁判を担当したケスラー・ソー副首席地方判事は、今回の処分について、運転関連法規への違反を抑止するためのものだと明確にした。

子どもをかわいがる気持ちからの行動という見方もあり得るが、保護者に託された幼い子どもをかえって最も危険な場所に座らせた以上、情状酌量の余地はなかった。ひとときの楽しみのために子どもの安全を賭けた判断は、最も重い処分という大きな代償となって返ってきた。子どもたちが大きな事故に遭わずに済んだことはせめてもの救いである。