「リコールではなく個別対応」テスラが沈黙を貫く本当の理由

テスラ 引用:Reddit
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自宅で充電器を差し込んでも普通充電ができないテスラ・サイバートラックが増えている。原因は、交流(AC)充電と高電圧バッテリーの降圧を担う電力変換装置、PCS(Power Conversion System)の故障だ。短ければ数日、長ければ2カ月近く自宅充電を使えないオーナーも出ているが、テスラはこの問題に対し、リコールではなく個別の無償修理で対応している。

48Aから24Aへ低下し、やがて充電できなくなる

PCSは、オンボードチャージャーとDC-DCコンバーターを一体化した部品だ。Cybertruck Owners ClubやTesla Motors Clubなどのコミュニティでは、共通した症状を訴える投稿が相次いでいる。自宅充電の出力が48Aから24Aに落ち、その数日後に完全に止まるというパターンだ。

このときメーターパネルには「AC Charging Unavailable」の警告が表示され、PCS2_a094_acChargingUnavailable、PCS2_a137、PCS2_a136_cycloAMosfetHealthCheckFailedといったサービスコードが記録される。最後のコードは、コンバーター内部のMOSFET点検に失敗したことを示す。走行やスーパーチャージャーでの急速充電はおおむね問題なく行えるが、一部の車両では速度制限のかかるサービスモードに移行する場合もある。

引用:Reddit
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走行距離と故障の間に明確な相関関係は見られない。1万マイル台半ばの車両、3万マイル台前半の車両でも故障が報告されており、1万マイル未満の車両で発生したケースもある。PCSを一度交換した後、再び故障した車両もあるという。サイバートラックの電力電子系トラブルは今回が初めてではない。2024年末にも、MOSFETの不具合による出力損失のおそれから、2,000台以上のインバーターを交換するリコールが実施された。

調査で見えてきた不具合の規模、修理待ちも長引く

テスラは公式な故障率を公表していないが、Cybertruck Owners Clubが独自に行った調査は参考になる。今週時点で、223人中91人(40.8%)がPCS故障で保証修理を受け、15人(6.7%)は故障の疑いがあると答えた。自費修理は2人(0.9%)にとどまり、116人(52%)は問題がないと回答した。自発的に参加したサンプルであるため実態より大きく見えている可能性はあるが、単一フォーラムで100件近い交換事例が確認されている点は軽視できない。

交換部品はリビジョンE、Fを経て、最近はG(部品番号1777777-T2-G)へ改良されたが、作業は簡単ではない。電動トノカバーやベッドの床板、エアサスペンションの一部まで取り外す必要があり、作業時間が長くなる。テレストリアルアーマー・アンダーボディパッケージ装着車では、さらに約8時間の作業が加わる。部品不足も重なり、予約が数週間単位で遅れ、Xでは「8週目」まで待っているというオーナーも現れている。

引用:Reddit
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修理費1,000ドルにテスラの本音が透ける

保証期間である4年または5万マイルの範囲内であれば、PCS交換は無償だ。問題は保証が切れた車両である。もともと部品代と工賃を合わせて5,000~7,200ドル(約81万~120万円)請求されていた修理費を、テスラは最近、善意対応として約1,000ドル(約16万円)まで引き下げた。修理費の約80%を会社側が負担するという判断は、オーナーの使い方ではなく、製造段階の欠陥に近い問題であることを示すものとも受け取れる。実際に欠陥であれば、割引ではなく、対象車両全体への無償交換や正式なリコールが原則的な対応になるためだ。

保証制度を見ると、その差はさらに目立つ。PCS故障に最もさらされている2024~2025年型のファウンデーションシリーズ・サイバートラックには、基本の5万マイル保証だけが適用され、テスラはサイバートラック向けの延長保証プログラムも提供していない。一方、2026年型サイバートラックには、PCSを明示的に含む7年または7万マイルのパワートレイン保証が新たに付いたが、この保証は既存車両にはさかのぼって適用されない。以前、ヒョンデとキアが統合充電制御装置(ICCU)の故障問題で対象車両の保証を延長した対応とは異なる方向だ。

引用:Reddit
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テスラは、AC充電が使えない期間でもスーパーチャージャーを利用できるようにファームウェアを更新し、修理が終わるまでスーパーチャージング費用を負担している。ただし、2カ月近く急速充電だけに頼らなければならない状況は、電気自動車が本来なくすべき不便に近いとの指摘もある。

結局、テスラは最小限の措置で無料スーパーチャージングという好印象だけを確保している形だ。低走行距離で繰り返される不具合を、NHTSAへの届け出や正式リコールではなく個別対応で静かに処理すれば、欠陥の認定や全数修理の義務を避けられるためだ。初期購入者にも2026年型と同等の保護が必要だという声が出る理由もここにある。

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