【小型SUV新時代】メルセデス・ベンツ、Aクラス後継を2028年投入へ…高級偏重から戦略転換

メルセデス、小型車戦略を再構築
Aクラス延長と新エントリーモデル計画
価格競争力とSUV強化へ方向転換

引用:メルセデス・ベンツ

メルセデス・ベンツが小型車戦略を再び見直した。従来はAクラス終了後、CLAがブランドのエントリーモデルを担う予定だったが、計画変更により新型コンパクトSUVの開発が決定した。正式名称は未公表だが、CLAの下に位置し、2028年のAクラス終了後の後継モデルになるとみられる。

当初の計画では、CLAは新MMAプラットフォームをベースにデザインと技術を刷新し、今後のGLA・GLB SUVの設計基準となるはずだった。しかし最近、メルセデスは従来の高級志向から一歩引き、より量販を意識した戦略へと舵を切った。CEOのオラ・ケレニウス氏は、上半期の純利益が5.3%まで落ち込む中、マイバッハやAMG偏重の戦略を補うため、手の届きやすい小型車とSUVを投入する方針を示した。

引用:メルセデス・ベンツ
引用:メルセデス・ベンツ

Aクラス延長と新モデル投入計画
新エントリーモデルはSUV改良型の可能性

2028年まで生産が延長され、その後は新しいエントリーモデルに置き換えられる見通しだ。販売・マーケティング担当役員のマティアス・ガイゼン氏は、独『Automobilwoche』の取材で「CLAに続きMMAプラットフォームを使った追加モデルを用意する」と述べ、長期的に新しいエントリーモデルを投入すると明らかにした。

ガイゼン氏はまた、「Aクラスはブランドと顧客を結ぶ重要な存在」と強調。供給の空白を避けるため生産を続けると説明し、新エントリーモデルは2028年頃の発売が有力視されている。現時点では車名やボディタイプ、パワートレインの詳細は明らかにされていないが、独メディアは「全くの新型ではなく既存SUVを改良した形になる可能性が高い」と報じている。

引用:メルセデス・ベンツ

CLAにハイブリッド追加で価格差是正へ
Bクラス終了と小型SUV中心の再編

価格設定も課題だ。日本市場ではAクラスが500〜600万円台前半から提供される一方、CLAのEV仕様はさらに高額となり、Cクラス並みかそれ以上の水準になる可能性がある。この価格差を縮めるため、メルセデスはCLAにハイブリッドモデルを追加し、より幅広い層に訴求する構えを見せている。

小型車はグローバルで2024年に53万台以上を販売しブランドの柱を支えたが、日本では輸入車特有の価格・販売網の制約もあり、Bクラスは苦戦が続く。22年の歴史を持つBクラスは2026年に生産終了予定で、今後は小型SUVを中心に再編を進める見通しだ。ガイゼン氏は「2年以内に40車種以上の新型車を投入する」と語り、大規模な製品攻勢を予告している。

あわせて読みたい

関連キーワード

コメントを残す

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

こんなコンテンツもおすすめです

CP-2023-0065-33327443-thumb
「生産停止中に“次期V8”が走った」ランドローバー、ハッキング危機下でも開発続行か
CP-2023-0070-33320709-thumb
日本の小型SUVが世界を走る!ジムニー輸出10万台突破で“日本車の底力”示す
CP-2023-0065-33325085-thumb
「ステンレスボディは盾になるか?」ラスベガス警察の挑戦、結果は?
CP-2023-0065-33322990-thumb
「究極の10台」モーターショーより熱い、メーカーと職人が激突する2025年SEMAショー
CP-2023-0065-33308951-thumb
「殺傷武器と化した偽エアバッグ」、中国製偽エアバッグを警告
Toyota-Unveils-Camry-GT-S-Concept-2
「カムリ史上最も攻撃的」トヨタの新しい実験、GT-Sが目指す次の章
CP-2023-0065-33305243-thumb
「20年ぶりの逆襲」日産SUV系の誇り、V6ツインターボで復活
CP-2023-0094-33300187-thumb
レクサス、LSの時代に終止符…“新しい感性”で未来を開く
  • アクセスランキング

    「生産停止中に“次期V8”が走った」ランドローバー、ハッキング危機下でも開発続行か
    日本の小型SUVが世界を走る!ジムニー輸出10万台突破で“日本車の底力”示す
    「ステンレスボディは盾になるか?」ラスベガス警察の挑戦、結果は?
    「究極の10台」モーターショーより熱い、メーカーと職人が激突する2025年SEMAショー
    「殺傷武器と化した偽エアバッグ」、中国製偽エアバッグを警告
    「カムリ史上最も攻撃的」トヨタの新しい実験、GT-Sが目指す次の章
    「20年ぶりの逆襲」日産SUV系の誇り、V6ツインターボで復活
    レクサス、LSの時代に終止符…“新しい感性”で未来を開く
    「冬の朝、ボンネットの中に命が」運転前の3秒が悲劇を防ぐ
    「エンジンがない車?」フェラーリ、史上最も静かなハイパーカーを公開

    最新ニュース

    CP-2023-0065-33327443-thumb
    「生産停止中に“次期V8”が走った」ランドローバー、ハッキング危機下でも開発続行か
    CP-2023-0070-33320709-thumb
    日本の小型SUVが世界を走る!ジムニー輸出10万台突破で“日本車の底力”示す
    CP-2023-0065-33325085-thumb
    「ステンレスボディは盾になるか?」ラスベガス警察の挑戦、結果は?
    CP-2023-0065-33322990-thumb
    「究極の10台」モーターショーより熱い、メーカーと職人が激突する2025年SEMAショー
    CP-2023-0065-33308951-thumb
    「殺傷武器と化した偽エアバッグ」、中国製偽エアバッグを警告
    Toyota-Unveils-Camry-GT-S-Concept-2
    「カムリ史上最も攻撃的」トヨタの新しい実験、GT-Sが目指す次の章

    主要ニュース

    CP-2023-0065-33303497-thumb
    「冬の朝、ボンネットの中に命が」運転前の3秒が悲劇を防ぐ
    CP-2023-0065-33307711-thumb
    「エンジンがない車?」フェラーリ、史上最も静かなハイパーカーを公開
    CP-2023-0065-33306449-thumb
    “これぞ本物”トヨタFJ60、時代を超えたレトロオフローダー誕生
    CP-2024-0164-33377988-thumb
    トヨタの目覚めた獣、GRヤリスとカローラ…1.6ℓターボの「生命力」が吠える
    CP-2024-0164-33334878-thumb
    守られない“命のルール”、運転者の3人に1人が内容を知らず
    CP-2023-0065-33296847-thumb
    「突然の発火」その原因は?EVキャンプ安全点検マニュアル