
フェラーリが、新たな形態のハイブリッドパワートレイン開発に乗り出している。従来の高性能ハイブリッドとは全く異なる構造で、電動化戦略の新たな方向性を示す技術となる。
フェラーリは「ラ・フェラーリ」で電動化時代の幕を開けた。当時、V12エンジンとフォーミュラ1(F1)由来の運動エネルギー回生システム(KERS)を組み合わせ、ハイパーカー市場に新基準を示した。その後、V6ベースのプラグインハイブリッド(PHEV)モデルである「296」シリーズや、純電気自動車(BEV)の開発へと領域を拡大してきた。
引用:フェラーリ” />しかし、最近公開された特許資料によると、フェラーリは従来とは全く異なる概念のハイブリッドシステムを研究していることが分かった。新特許の核心は、2基の直列6気筒(I6)エンジンを活用した「分割型V12」構造だ。
このシステムの最大の特徴は、エンジンが直接車両を駆動しない点にある。2基の直列6気筒エンジンはそれぞれ発電機の役割を果たし、車両は電気モーターのみで駆動される「シリーズハイブリッド」構造を持つ。つまり、航続距離延長型電気自動車(EREV)に近い方式だ。
引用:フェラーリ” />構造も独特だ。2基のI6エンジンはV字型に配置されるが、クランクシャフトで接続されていないため、異なる回転速度で独立して作動できる。一方で潤滑システムは共有する形だ。この設計は、効率性とパッケージングを同時に考慮した結果と解釈できる。
駆動系は電気が中心だ。後輪には2基の可逆式電気モーターが採用され、一部の設計では4モーター構成も検討されている。各内燃機関は固定ギア比を持つ装置を通じて発電機に接続され、電力を生成する。エンジンと車輪の間には機械的接続がなく、従来のトランスミッションも存在しない。
引用:フェラーリ” />フェラーリはこの特許で、アトキンソンサイクルエンジンと車体下部に配置されたバッテリー構造についても言及している。特に低位置に配置されたデュアルI6エンジンは、重心を下げると同時に空力性能の改善にも寄与できる。これは走行性能向上においてポジティブな要素として作用する。
このコンセプト自体は全く新しいものではない。EREVはすでに多くのメーカーが採用してきた方式だ。「シボレー・ボルト」を皮切りに「BMW i3 REx」が類似の構造を採用し、最近ではマツダや中国ブランドが積極的に活用している。国内でもジェネシスやヒョンデなどが導入を準備中だ。
引用:フェラーリ” />今回の特許が実際の量産モデルにつながるかは不透明だが、電動化への転換が加速する中で、フェラーリが単なる電気自動車を超え、性能と効率を両立させる新たな解決策を模索していることは明らかだ。今後、この技術が適用されたモデルが登場すれば、「エンジンは発電機、走行は電気」という新概念のフェラーリが現実となる可能性がある。