7人乗り136万円のダイハツ小型ミニバン、インドネシアで異常事態に 売上3割を占める「シグラ」の正体

ダイハツの小型ミニバン シグラ 

コストパフォーマンスの高さで現地市場を席巻

コンパクトさと実用性を両立

引用:Caroline.id

ダイハツの小型ミニバン「シグラ」は、インドネシア政府のLCGC(Low Cost Green Car)環境政策に適合し、ダイハツ・インドネシアが現地市場向けに投入したモデルだ。コンパクトで実用的なボディサイズに2-3-2の三列シートを採用し、7人乗りを実現している。

ダイハツは以前、トヨタと共同開発したハッチバック「アイラ」がインドネシア市場でLCGC政策に適合し成功を収めていた。これを受け、同政策に準拠した低価格ミニバンへの需要が急増。従来の「ゼニア」は排気量が大きく、インドネシアの環境政策要件を満たしていなかったため、新たに開発されたのが「シグラ」である。

引用:Caroline.id
引用:Caroline.id

環境政策適合で優遇措置を享受

低価格と実用性で現地ニーズに対応

ダイハツは2016年にシグラを現地市場に投入。アイラと同様、シグラもトヨタとの共同開発製品で、ダイハツが「シグラ」、トヨタが「カルヤ」という車名で展開し、現地で高い支持を得ている。LCGC政策要件を満たすことで各種優遇措置を受けられ、手頃な価格で7人乗りという特徴が、現地市場のニーズを的確に捉えたためだ。

その後、2019年のフェイスリフトで外観をスポーティに刷新。2022年にも外観を微修正し、さらなる進化を遂げた。このシグラは最近、インドネシアの自動車市場活性化を目的とした「ガイキンド・ジャカルタ・オート・ウィーク(GJAW)2024」に出展され、2024年12月1日まで展示された。

引用:Caroline.id
引用:Caroline.id

全長4,110mmのコンパクトボディ

1.0リッターエンジンを搭載

シグラの車体サイズは全長4,110mm、全幅1,655mm、全高1,600mm、ホイールベース2,525mmとコンパクトだ。リアドアはヒンジ式を採用している。パワートレインは、グレードに応じて1.0リッター直列3気筒1KR-VEエンジンと1.2リッター直列4気筒3NR-VEエンジンをラインナップ。それぞれ最高出力は66馬力と87馬力、最大トルクは9.1kgf・mおよび11kgf・mを発揮する。

5速MTが標準装備で、1.2Lエンジン搭載車には4速ATも用意される。外観デザインは2019年と2022年の改良を経て、スポーティさを強調。シャープなヘッドランプと一体化したグリルも角張ったデザインを採用し、上部にはシルバー調のガーニッシュ、下部には黒色のガーニッシュとフォグランプを逆三角形に配置することで、精悍な印象を演出している。

引用:Caroline.id
引用:Caroline.id

空間効率を追求した室内設計

136万円からの価格設定が魅力

室内は小さなボディながら、居住性を最大限に高める設計を採用。センターコンソールにはシフトレバーとエアコン操作ダイヤルを配置し、運転席横にはドアミラー調整スイッチを設けている。

シグラはダイハツ・インドネシアの売上の3割を占める主力モデルだ。特に、大家族が一般的なインドネシアでは、多人数乗車が可能なミニバンの需要が高い。シグラは道路状況が決して良好とは言えないインドネシアでも、安定した走行性能と耐久性の高さで好評を博している。価格は1億3,900万ルピア(約136万円)からと手頃で、この価格競争力を武器に市場シェアを拡大してきた。

あわせて読みたい

関連キーワード

コメントを残す

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

こんなコンテンツもおすすめです

CP-2024-0164-33864863-thumb
40台だけの終着点、ブガッティ・ボライドが刻んだ“最後の遺産”
CP-2025-0133-33838865-thumb
SUV激戦区の答え、アメリカ市場が認めた最高の3列SUV 5種
CP-2023-0065-33751204-thumb
「米国ラグジュアリー市場を狙う」メルセデス、40万台目標でBMWに正面勝負
CP-2025-0055-33823029-thumb
走行継続は危険信号、ブレーキ警告灯の分岐点
CP-2023-0065-33830297-thumb
「雪だけじゃない」冬の道路と車を蝕む“濡れた落ち葉”
CP-2023-0065-33802626-thumb
SUVに傾いた韓国市場、日産セダンが揺さぶる理由
CP-2023-0065-33777315-thumb
「バッテリー不安は解消できるのか」BMW、EVにガソリンを載せる理由
CP-2023-0065-33800329-thumb
出勤前にエンジンがかからない!?冬のバッテリー放電を防ぐ方法
  • アクセスランキング

    40台だけの終着点、ブガッティ・ボライドが刻んだ“最後の遺産”
    SUV激戦区の答え、アメリカ市場が認めた最高の3列SUV 5種
    「米国ラグジュアリー市場を狙う」メルセデス、40万台目標でBMWに正面勝負
    走行継続は危険信号、ブレーキ警告灯の分岐点
    「雪だけじゃない」冬の道路と車を蝕む“濡れた落ち葉”
    SUVに傾いた韓国市場、日産セダンが揺さぶる理由
    「バッテリー不安は解消できるのか」BMW、EVにガソリンを載せる理由
    出勤前にエンジンがかからない!?冬のバッテリー放電を防ぐ方法
    北米赤字が突きつけた現実、ホンダ・日産・三菱が米国で共同戦線
    「ホンダは15%急減」5か月ぶりのマイナス、日本車4社が米国で失速した理由

    最新ニュース

    CP-2024-0164-33864863-thumb
    40台だけの終着点、ブガッティ・ボライドが刻んだ“最後の遺産”
    CP-2025-0133-33838865-thumb
    SUV激戦区の答え、アメリカ市場が認めた最高の3列SUV 5種
    CP-2023-0065-33751204-thumb
    「米国ラグジュアリー市場を狙う」メルセデス、40万台目標でBMWに正面勝負
    CP-2025-0055-33823029-thumb
    走行継続は危険信号、ブレーキ警告灯の分岐点
    CP-2023-0065-33830297-thumb
    「雪だけじゃない」冬の道路と車を蝕む“濡れた落ち葉”
    CP-2023-0065-33802626-thumb
    SUVに傾いた韓国市場、日産セダンが揺さぶる理由

    主要ニュース

    CP-2023-0328-33831901-thumb
    北米赤字が突きつけた現実、ホンダ・日産・三菱が米国で共同戦線
    CP-2023-0328-33831895-thumb
    「ホンダは15%急減」5か月ぶりのマイナス、日本車4社が米国で失速した理由
    CP-2023-0397-33808325-thumb
    トヨタ中国EV戦略が結実、bZ3Xが外資EV販売1位に
    CP-2025-0055-33778761-thumb
    クーラント交換時期を間違えると何が起きるのか、エンジンに忍び寄る危険
    CP-2025-0057-33785918-thumb
    関税逆風でも止まらない、トヨタ世界1000万台独走
    CP-2025-0055-33781613-thumb
    「前より走らない」と感じたら読むべき出力低下の全パターン