
新設定された特別仕様車の顔つきが、このモデルの印象を大きく塗り替えている。専用デザインのラジエターグリルはメテオコート仕上げとされ、ブラック塗装のグリルモールと組み合わさることで、同時期に洗練された表情へと生まれ変わった通常モデルとは対照的な、無骨でタフな面構えを手に入れた。フロント&リアバンパーロアガーニッシュにはメタルストリームメタリック塗装、ドアウインドウフレームモールディングにはブラックがそれぞれ採用され、アウトドアシーンにふさわしい存在感を後押しする。足元には215/60R17タイヤを組み合わせたマットグレーメタリック塗装の17インチアルミホイール(ブラックホイールナット・センターオーナメント付)が収まり、左右フロントフェンダーには60周年を記念する専用ステッカーが貼られる。室内も新色「ミネラル」のシート(合成皮革+ファブリック)や、スモークシルバーメタリック加飾を施したステアリングホイール、専用のドアハンドル・インパネ装飾類によって特別感が演出された。ボディカラーは「ブラック×ホワイトパール」「ブラック×マッドバス」「ブラック×アーバンカーキ」という限定の2トーン3色のみが用意されている。
その名は「Z“Adventure(アドベンチャー)”」。上級グレード「Z」をベースに新設定されたこのモデルは、実はRAV4にも同名の仕様が存在しており、両車種はアウトドアイメージを共有する形になっている。
この特別仕様車の登場と歩調を合わせる形で行われたのが、上級グレード全体における先進運転支援機能の底上げだ。ZおよびGR SPORTの両グレードには、ブラインドスポットモニター+安心降車アシスト、床下透過表示機能付のパノラミックビューモニター、後方接近車両・後方歩行者に対応するパーキングサポートブレーキ、さらに周囲静止物に対応するパーキングサポートブレーキを組み込んだ「トヨタ チームメイト(アドバンストパーク)」が新たに標準装備として加わった。ステアリングヒーターも標準化され、自動駐車支援まで含めた安全・利便性能が一段引き上げられた格好だ。
今回の見直しではエントリーグレードの「G」がラインナップから姿を消し、価格帯は約298万1000円から約407万7700円へと再編されている。このうち特別仕様車Z“Adventure”は、2WDが366万3000円、E-Four(電気式4WD)が392万1500円という設定だ。全長はおよそ4.4mとされる。
カローラという名の車が世に出てから、今年でちょうど60年を数える。これまでにシリーズ全体で世界150以上の国と地域に累計5700万台以上を送り出してきた実績は、「良品廉価」「変化」「プラスアルファ」という3つの軸を掲げながら時代ごとに姿を変えてきた歩みの証といえる。現行12代目は2018年のカローラスポーツ先行発売を皮切りに、翌2019年にセダンのカローラとステーションワゴンのカローラツーリングが加わり、2020年には初のSUVタイプとなるカローラクロスが披露された(日本での発売は2021年9月)。いずれも最新のTNGAプラットフォームを共有し、走行性能・デザイン性・安全性を高い水準でまとめている。なかでもカローラクロスは、SUVらしいダイナミックなスタイリングと広い室内空間、高い実用性を武器にシリーズの人気を牽引してきた存在だ。2025年5月のマイナーチェンジでガソリン車が廃止されてハイブリッド専用モデルとなった際にはスポーティグレードのGR SPORTも新設されており、今回の改良はその流れを受けて上級グレードの商品力をさらに磨き上げるものと位置づけられる。