



トヨタは8月4日、3日から稼働を停止していた田原工場(愛知県田原市)の一部ラインについて、稼働中止を8月末まで延長すると発表した。予定していたライン工事が理由で、2026年熊本地震によるサプライチェーン断絶の影響ではないとしている。同工場は地震の影響で3〜7日に生産を停止し、8〜16日は夏季休暇に入る予定だった。
地震の影響と予定されたライン工事、生産計画全体を総合的に判断し、稼働停止延長を決めたという。稼働中止延長という重い表現だが、実態は設備工事と夏季休暇のスケジュールが重なった計画的な調整に近い。トヨタが地震の影響ではないと明言したのも、突発的な生産遅延と性格が異なることを示すためとみられる。
熊本地震では、ドア部品などを生産するアイシン九州(熊本市南区)が被災し、部品供給に支障が生じた。このためトヨタは、レクサス車を生産するトヨタ自動車九州の宮田工場(福岡県宮若市)、小倉工場(北九州市)、苅田工場(福岡県苅田町)の3工場の稼働を5日まで停止した。田原工場とは異なり、こちらは地震という予期せぬ要因が直接の原因となった。
田原工場はレクサスの大型SUV「GX」のほか、トヨタブランドの「ランドクルーザー250」や「センチュリー」などを生産する重要拠点だ。今回の事例は、一つの地震が完成車メーカーの複数工場に異なる形で波及することを示しており、計画的な稼働停止と部品供給停滞による予期せぬ停止が併存する状況にある。トヨタの生産現場が今後どう正常化していくか注目される。