日本にも戻ってくるのか? 21年ぶりに名前が復活した「プリメーラ」、まずはASEANから

引用:日産
引用:日産

スポーツではなく、乗用セダンとして――かつて欧州を席巻したあの名前が、21年の時を経て、しかも純粋な電気自動車という姿でよみがえった。日産が投入した新型セダン「プリメーラ EV」は、長らく途絶えていたクラシックな車名を復活させたことで、クルマ好きの間で早くも話題を集めている。

プリメーラ EVのベースとなっているのは、東風日産が中国の中間所得層をターゲットに開発したBEVセダン「N7」だ。N7は2025年4月27日に中国で正式発売されたモデルで、日産の経営再建計画「Re:Nissan」のもと、2027年夏までに順次投入される新エネルギー車(NEV)9車種のうち、第1弾として位置づけられている。グレードは「マックス」「プロ」「エア」の3種を用意し、価格は11万9900元から14万9900元(日本円換算でおよそ240万〜300万円)のレンジに収まる。搭載バッテリーは58kWhと73kWhの2種類で、最大航続距離は635kmに達する。駆動モーターは160kWと200kWの2タイプを設定。運転支援機能としては、Momenta(モメンタ)と共同開発した先進運転支援システムに加え、AIがシートを自動調整してくれる快適装備も備える。

ボディサイズは全長4930mm×全幅1895mm×全高1487mm、ホイールベース2915mmと、全長5mに迫る堂々たる体躯を誇る。エクステリアはグリルを廃したVモーションデザインのフロントフェイスに、横一列に伸びるデイタイムランニングライトが目を引く。リアも同様にLEDランプ882個を横一列に配置し、未来感のあるデザインに仕上げた。インテリアは「リビングルーム」をコンセプトにした落ち着きと上質さを感じさせる空間で、AI音声アシスタントによるユーザーサポートや各種安全機能も充実している。

この新型セダンが初めて姿を見せたのは、6月初旬にフィリピンで開催された国際モーターショーの会場だった。今回で10回目を数えるこの展示会で、日産は「N7」をベースとした「プリメーラ EV」のASEAN地域デビューを明らかにした。現時点で公開されている車両は中国仕様のN7と大きな違いはなく、車名以外に具体的な変更点があるかどうかは明らかになっていない。

「プリメーラ」という名は、日産が1990年から2005年にかけて販売していた乗用車に由来する。最終世代となる3代目は2001年に欧州と日本で販売された(北米では未導入)。グリルを左右に分断するTラインのフロントフェイスと、フロントからリアまで滑らかにつながるモノフォルムのボディにより、先代よりも先進的な佇まいへと進化を遂げた。しかし、こうしたイメージ刷新にもかかわらず、3代目は日本で2005年に、欧州でもその後まもなく生産を終了し、後継モデルが登場することのないまま歴史に幕を下ろした。

その一つ前、1995年に登場した2代目は、当時の10代目「ブルーバード」とプラットフォームを共有し、実用性を重視する設計思想を受け継ぎながらワゴンモデルもラインナップに加えた。ただし、セダン人気の陰りや競合モデルの台頭も重なり、初代ほどの支持を集めるには至らなかった。

プリメーラの歴史をさかのぼると、1990年に欧州市場向けとして誕生した初代に行き着く。セダンと5ドアハッチバックの2タイプで展開され(日本でもセダンに加え、英国製の5ドアハッチバックが輸入販売された)、落ち着いたデザインと高い実用性、堅実な走りを武器に、とりわけ欧州市場で高い評価を獲得。ヨーロピアン・カー・オブ・ザ・イヤーでも上位に食い込んだ実績を持つ。

プリメーラが姿を消してから20年余り、まさかのEVとしての復活となったが、正式な発売日や今後の展開についてはまだ発表されていない。ASEAN地域での反応次第では、「プリメーラ」の名を冠したまま日本市場へ再上陸する可能性も残されている。

あわせて読みたい

関連キーワード

コメントを残す

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

モバイルバージョンを終了