
排気量2.5リッターの直列4気筒ディーゼルエンジンが最高出力129馬力、最大トルク356Nmを発生し、5速MTと組み合わされて後輪を駆動するこの商用車は、三菱自動車工業のフィリピン法人が2026年2月6日に現地で販売を開始した新型バンだ。日産からOEM供給を受けるモデルで、日産の商用車「キャラバン」をベースに開発された。
現地価格は164万9000フィリピンペソに設定され、日本円に換算するとおよそ436万円の水準となる。
キャブオーバー型のパッケージングを採用したことで、限られた車体サイズの中でも広い居住空間を確保しているのが特徴だ。その結果、5列シート構成で最大15人乗りに対応する。ボディサイズは全長4710mm、全幅1695mm、全高1990mmで、ホイールベースは2555mmとなっている。
外観は商用車らしく実用性が優先されている。大型のフロントグリルが存在感を放つ一方、バンパーやドアハンドル、ドアミラーは無塗装の素地仕上げだ。リアのスライドドアは助手席側にのみ備わり、運転席側には設けられていない。
内装づくりもシンプルにまとめられている。オーディオは1DINサイズのAM/FMラジオ、エアコンは操作しやすいダイヤル式、メーター類はアナログ式が採用された。安全装備は前席用のエアバッグとシートベルトが中心で、後席にはヘッドレストが備わっていない。一方、後席側には合計12個ものエアコン吹き出し口が設置されており、年間を通じて高温多湿なフィリピンの気候を踏まえた配慮とうかがえる。室内空間のほぼすべてを乗員用に充てているため荷室はごくわずかで、最後列シートの背もたれとバックドアの間には最小限のスペースしか残されていない。
このヴァーサ バンという車名は、1987年に三菱「デリカスターワゴン」の車体を流用した商用車「L300」シリーズの派生モデルとして初めて登場して以来、フィリピンで長年にわたり人員輸送や物流の現場で幅広く活用され、地域のビジネスや公共交通を支える存在として定着してきた。2012年を最後に一度姿を消していたが、今回およそ14年ぶりの復活を果たした形だ。
なお三菱の公式発表によれば、今回のヴァーサ バンのOEM供給は三菱と日産のアライアンス協業の一環であり、両社は次世代ピックアップトラックの共同開発・生産や電動車協業なども並行して進めている。日産は最近、北米市場向けに三菱から「ローグ プラグインハイブリッド」の、オセアニア市場向けに「ナバラ」の供給を受け始めたほか、フィリピンでは2022年から「リヴィナ」の供給を受けてきた。逆に三菱は日産の新型「リーフ」派生の電気自動車をOEMで供給を受け、2026年後半に北米市場へ投入する予定だ。三菱は今回のヴァーサ バン投入を通じて、フィリピンにおける人員輸送やビジネス用途の根強い需要に応えていく方針である。
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最近の狂ったような気候を考えると、運搬量は半分でもいいから夏場などの休憩所を兼ね備えたモデルを考えてほしいな。
4~5人の作業員が涼をとれ、トイレでも併設すれば簡易の工事現場などである程度の需要が見込めそうだが?